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香川真司 10年前

香川真司、マンUでの絶大な影響力。両チーム最多67本のパス、4得点生んだポジションチェンジ

text by 海老沢純一 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

香川のポジションチェンジで変わった試合の流れ

 しかし、ニューカッスルの攻撃は、大部分が右サイドから展開。0-4と大敗した前節サウサンプトン戦に続いて今季2度目の先発となった左サイドバックのマサディオ・アイダラは周囲との連係が取れておらず、左サイドは攻守に不安定さを見せていた。

 それによってユナイテッドは、押し込まれていた時間帯にも右サイドからは何度かチャンスを作ることが出来ていた。しかし、ヤングにはクロスの一択しか無かった。

 クロスしか無いと分かっていれば、ニューカッスルとしては守るのは簡単。ヤングが入れた3本のクロスは、決定機を演出することなく弾き返されていた。

 そして、前半17分にヤヌザイと交代すると、左からヤヌザイ、マタ、香川という並びに変更。ここまで守備に追われていた香川は、これによってスペースのある右サイドでのプレーが可能となった。

 ピッチ上でのプレーエリアを見てみると、前半17分までニューカッスルの右サイド(ユナイテッド陣内の左サイド)が最多の19.46%を記録。これほど押し込まれては、攻撃に転じる余裕が生まれなくても仕方ない。

 右サイドへポジションを移してからの香川は、タメを作って周囲の上がりを促したり、マタと流動的にポジションを変えながらコンビネーションで相手ディフェンスを崩す動きを披露。これによってマタのプレーエリアが広がり、前半37分の先制点となるFKを獲得出来た。

 前半17分からハーフタイムまでのプレーエリアを見ると、ニューカッスルの右サイドは19.46%から9.41%へ激減。逆に、ユナイテッドの右サイド(ニューカッスル陣内の左サイド)は5.60%から12.22%まで大きく向上させた。

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