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本田圭佑 10年前

ミラン監督、戦術の秘密を明かす。「右でスタートだが右サイドではない」、本田起用法をめぐる謎かけの意図とは?

text by 編集部 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「メッシも右でプレーしていた」

ミラン監督、戦術の秘密を明かす。「右でスタートだが右サイドではない」、本田起用法をめぐる謎かけの意図とは?
クラレンス・セードルフ監督【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

――ここ2試合、本田のプレーは確実によくなって来ている。“右サイドでプレーすることは、彼の将来のために役に立つ”と言ったが、どういうことでしょうか?

「そんなことを言ったのは覚えていない。将来については話していない。彼はあそこ(右攻撃的MF)でプレーできると言った。彼の未来はミランにある。今とてもいいプレーをしている。いつも言っているように、あのポジションでプレーできる。より向上している。

 ただ時間の問題だけだった。これから更に成長できると思う。もう攻守のバランスもつかめている。この前の試合では、とても重要なカカーへのアシストもした。彼は決定的なプレーができる。

 素晴らしいキックを持っているし、視野も広い。イタリアのサッカーがわかってきたし、だんだんチームメイトたちとも呼吸があっていく。彼の進化には驚いてはいない」

――右サイドで起用を続けるのでしょうか?

「右サイドではない。ともかく、彼はそこからスタートする。あとは自由にスペースを見つけるだろう。理論的に右から始めるが、メッシも右でプレーしていた。だから問題ないと思う。

 メッシはそこからアシストしたりする。選手のクオリティーが高ければ、3人の司令塔が攻撃を探し求め、攻撃の起点となり、決定機を作る。守備をするときに、そこのポジションに戻るが、攻撃では自由なんだ」

 本田の右サイドでの起用法については、セードルフ監督は秘密を打ち明けた。守備を必要な時間帯で右サイドに戻り、相手の左サイドをしっかりとケアすることが約束事であり、攻撃面では選手のアイデアと即興性に委ねるというのが、セードルフの戦術だという。

 カカー、本田、ターラブのトップ下3人の連動性が高まれば高まるほど、ミランのチーム状態は上向きになるはずだ。

【了】

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