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リバプールがシティを撃破。攻守に高く貢献したジェラード、自身初のリーグ優勝で再び「男泣き」を

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

理想的なチーム、最高の監督、仲間を得たジェラード。優勝で再び「男泣き」を

 41歳の青年監督であるブレンダン・ロジャースの就任2季目、リバプールは理想的なチーム造りに成功した。

 シティ戦ではGKに26歳のミニョレ、DFラインには21歳のフラナガン、24歳のサコー、29歳のシュクルテルとジョンソン、中盤に21歳のコウチーニョと24歳のヘンダーソン、3トップには19歳のスターリング、24歳のスターリッジ、27歳のスアレスが先発。そしてこのチームを中央でまとめるのは33歳のジェラードだ。

 まさに若手と中堅、ベテランが融合するチームとなった。開幕5戦未勝利でスタートし7位に終わった昨シーズンだが、それでもリバプールはロジャース監督を信頼し続けた。

 チームに変化をもたらす最も簡単な手段は監督の交代と言われる昨今のサッカー界では珍しい例と言えるだろう。明確な目標と計画を持ち、結果よりも内容を見極めたクラブの判断は正解だった。

 華麗なパスワークによる美しい攻撃を哲学とし、カリスマ性を感じさせる青年監督に、才能溢れる若手たち、世界最高のストライカー、そしてクラブにキャリアのすべてを捧げるキャプテンがいるリバプール。これほどに魅力的なクラブは他には見あたらないだろう。

 このシティ戦の勝利で89-90シーズン以来のリーグ優勝に大きく近づいた。それでも残り4試合、残留を争うノリッチやクリスタル・パレスとのアウェー戦は簡単な試合にはならないだろう。そしてその間にある第36節ではチェルシーとの対戦も控えている。

 ここまで全試合に先発していたジョーダン・ヘンダーソンが終了間際に一発退場を食らったのは痛い。3試合の出場停止となればチェルシー戦にも出場出来なくなってしまう。

 しかし、それでもジェラードを信じたい。5月11日の最終節、「THIS IS ANFIELD」のプレートに触れ、ニューカッスルを相手にピッチで激闘を繰り広げ、「You’ll never walk alone」の合唱とともにプレミアリーグのトロフィーを掲げているはずだと。

 そして再びあの「男泣き」を見せてもらいたい。最高の仲間に囲まれた世界一カッコいい男の涙を。

【了】

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