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セリエA 10年前

一時はセリエAを席巻したが――。かつては中田英寿が活躍、知られざるペルージャの今

text by 神尾光臣 photo by Mitsuomi Kamio

リーグ首位をキープ。有望な若手をレンタルで獲得する戦略が奏功

一時はセリエAを席巻したが――。かつては中田英寿が活躍、知られざるペルージャの今
練習施設内のバール【写真:神尾光臣】

 実際、現在のペルージャは非常に調子がいい。2005年の経営破綻後緩やかに衰退の道を辿るのみだったクラブは、2011年から2年連続で昇格を決め、昨シーズンはプレーオフに進出し、後一歩でB昇格というところまで成長したのである。

 そして今シーズンも31節終了時点で勝ち点1差ながら首位をキープ。かつて選手としてペルージャでプレーしていたカンプローネ監督の体制も2シーズン目になり、非常に攻撃的なチームが完成している。

 かつてトリノやフィオレンティーナで活躍したジャンルカ・コモットが主将を務める他は、選手構成は全体的にフレッシュ。

 ナポリで活躍するロレンツォ・インシーニエの実弟ロベルトをはじめ、セリエAやBクラブの若手を多くレンタルで獲得し、その結果レーガプロ1で3位タイの51ゴール(2014年4月30日現在)を挙げている。

 その中で現在チーム得点王、しかも29試合で13ゴールと堂々の数字を挙げるFWウンベルト・エウゼーピも、やはりセリエBのバレーゼからレンタル移籍してきた若手である。ラツィオの下部組織出身だが、そこを辞めた後にあのブルーノ・コンティに才能を見込まれ、ローマ入りした過去を持つ。

「上のレベルに行くためには勝負の一年」との決意を抱いてペルージャにやってきたエースストライカーは、今季初めて10ゴールの壁を超えた。

「レーガプロ1はセリエBよりもガツガツ削りに来るけれど、僕もオフ・ザ・ボールの動きが練習で整理されて、マークを外して点が取れるようになった。でもそれも、チームのおかげ。

 このクラブには歴史があり、野心もある。会長から監督、用具係に至るまで素晴らしい人ばかりで、自分は大事にされているんだと感じる事が出来ているよ」

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