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好調のフランス。メディアは過熱、選手は冷静、ファンの意見は割れる。ベスト16での勝利、約半分は悲観的

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

危うかったサコの肘打ち

好調のフランス。メディアは過熱、選手は冷静、ファンの意見は割れる。ベスト16での勝利、約半分は悲観的
ママドゥ・サコ【写真:Getty Images】

 むしろ反省点を挙げるなら、何度かあったクリーンなチャンスで決めきれなかったことだろう。

 警戒すべきは相手にカウンターのチャンスを与えてしまうことで、ガツガツ攻める必要はなかった。また、相手GKドミンゲスがMVP級のセービングを連発したのも事実。それでも、グリーズマンからのクロスを受けたシソコのシュート(73分)、ジルーとワンツーからのベンゼマの至近距離からの一打(84分)といったいくつかの場面は、今後さらに上を目指すのであれば、着実に決めておきたかったところだ。

 もう一つ、この対戦について話題の焦点となっているのは、序盤7分のフランスのCKの場面で、DFサコが相手MFミンダに肘鉄を喰らわせたという一件。審判はこれをスルーしたが、試合後、エクアドルのルエダ監督も「サコの肘うちについては、もう少し慎重に観察されるべきだった」と話している。

 もしここで退場になっていれば戦局は違っていたかもしれず、後半、自陣のキャプテン、アントニオ・バレンシアがディーニュの足を踏みつけて一発退場になっているだけに、恨み節もごもっともという感じではあった。

 この件についてサコ本人は「飛び上がった瞬間に、肘を入れてきたのはミンダの方で、眉山に当たって切れそうだった。自分は危ないと思って避けただけ。審判がそれを危険行為とみなしたなら素直に従っていた」と弁明している。

 61分に腿痛をうったえてピッチを去ったが、デシャン監督が絶対の信頼を寄せる彼の回復具合は、月曜のナイジェリア戦までの懸念事項のひとつだ。

 グループリーグ突破は大きなステップだが、準々決勝進出はさらにチームを成長させる上で、一山越えたところにある。

 この山を新生レ・ブルーが越えられるかどうか。国民の関心も、日増しに高まっている。

【了】

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