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韓国メディアがW杯を総括。「“サッカー強国”の幻想に取り憑かれていた」。監督評価も手の平返し「人事の惨事」

text by 呉承鎬 photo by Getty Images

パク・チュヨンへの大きな批判

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ホン・ミョンボ監督【写真:Getty Images】

 そのパク・チュヨンを韓国代表に選んだのは、ほかでもなくホン・ミョンボ監督自身だ。ホン監督は以前、「所属クラブでの活躍を重視する」という選手選考の原則を打ち立てたが、後に撤回。今シーズン3試合しか出場していないパク・チュヨンを最終メンバーに招集し、さらに本大会でも重用した。

 韓国メディアの批判も、やはり監督に集中している。『dailian』は、「パク・チュヨンに代わって出場したイ・グノやキム・シヌクが活躍を見せただけに、残念でならない」とし、「ホン・ミョンボ監督は、今回のW杯で経験不足をさらした。多様な戦術の準備もなかったし、対戦相手への分析も足りなかった。

 何よりも、自分が指揮する韓国代表をまともに理解していなかった。グループリーグ敗退は、人事の惨事から始まった予告されたものだった」と酷評。『MKニュース』も「問題は今大会でホン・ミョンボ監督が目指すサッカーが何だったのかが、明確でなかったこと」と、監督責任を追及している。

 98年のフランス大会以降、W杯の舞台である程度の結果を残してきた韓国。それだけに今大会の惨敗は、ショックが大きいようだ。「02年の韓日W杯以降、“サッカー強国”の幻想に取り憑かれていた韓国がブラジルW杯で受けた傷はあまりにも大きく、致命的だ」(『OSEN』)、「未勝利という屈辱は、韓国サッカーにぬぐえない痛みと傷であり、自尊心まで地に落ちた」(『sportal korea』)と、どこか悲壮感が漂っている。

 代表監督が2度も替わるなど、何かと順調さを欠いたこの4年間。その根本原因を冷静に分析し直すことからはじめなければ、韓国の復活は望めそうにない。

【了】

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