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カメルーン対クロアチアにも当てはまる部分が――。得点傾向から見る八百長試合の傾向

text by 編集部 photo by Getty Images

八百長試合では終盤にゴールやPKが生まれるというよく聞く話を覆す

 考えられるのは、試合の中盤で起きるゴールは他の得点よりも自然に見える可能性がある。ゆえに開始から早い時間に得点されるゴールは、観衆から批判される可能性が高い。だが調整型の八百長はクラブの関係者によって仕組まれる可能性が高い(この場合80%)。

 言い換えれば、選手は監督やコーチによって八百長が察知される心配は無用で、試合の早い時間にわざとゴールを与えたり、得点することがしやすくなる。選手や外部の汚職者(85%)が関わる賭博型の八百長では、クラブ関係者は八百長に加担していない。監督やコーチに見つからないように、腐敗選手はゴールを遅らせる必要があると言える。

 2つめのポイントは、試合の大半で(10分~81分)、調整型・賭博型八百長試合と通常試合すべての種類の試合において、得点率はだいたい同じ信頼水準の範囲に入る。これは事実上、これらの試合の得点率で統計的な相違はないことを意味している。明らかに、この時間帯に不正ゴールが生まれた場合、それは八百長試合でチャンスが来たからそれを生かしたということだ。

 最後のポイントは、通常の試合では試合が終わりに近づくにつれて得点率が増えるということだ。一方で、八百長試合はその反対だ。八百長試合では、ゴール数は最後の10分で下がる。

 恐らくその理由は、不誠実な選手や審判が試合終盤より前に不正なゴールを生むほうが簡単だからだ。時間がない中で必死に得点を狙うのを避けるためでもある。これは八百長試合では終盤にゴールやPKが生まれるというよく聞く話を覆す。もちろん、そういうことは決して起きないと言っているのではない。八百長選手らによって八百長を果たせないという状況になった際には起きることが多い』

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