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失望と達成感が交錯するオランダ。3位決定戦を選手・監督が批判「戦う気持ちない」「15年前から否定的」

text by 中田徹 photo by Getty Images

「今は失望感が強い。でもこの大会で我々は素晴らしかった」

 ファン・ハール監督は、フラールがPKの第1キッカーになった事情をこう語る。

「最初のPKを決めることはとても重要なこと。フラールの前に、私は2人の選手に第1キッカーを務めるか尋ねたが、2人とも拒んだ。私の目から見て、今日のフラールはベストプレイヤーだった。残念ながら決まらなかった。ロメロが2本のPKを止めた。

 私はAZ時代、彼にPKの止め方を教えた。いや、これは冗談だ。あくまでPKを止めたのはロメロの成し遂げたこと。今は失望感が強い。でもこの大会で我々は素晴らしかった。そのことを忘れてはならない」

 失意のフラールは「信じられない。言葉が出ない。どんよりとした気持ちでいっぱいだ。試合中は良い感じでプレーしていたが、それはもう関係ない。手ぶらで何も残らなかった。トップスポーツは本当に厳しい。(第1キッカーを任され)僕は決して責任から逃れない。神経質にもなってなかった。どっちに蹴るかも決めていた。しかし、決まらなかった」と精一杯語った。

 ファン・ハール監督やロッベンが3位決定戦にネガティブな気持ちを持っているのと反対に、今大会、急成長を遂げたDFデ・フライは、「ブラジル相手に勝ちに行く。僕は1998年のW杯の3位決定戦でクロアチアに敗れたことを当時の選手たちが悔いているという話しを聞いている」とやる気を見せていた。

【了】

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