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セリエA 10年前

カカーが語るMLS挑戦の理由と母国に求める変革「ブラジルは目先のことばかり。最高のお手本はドイツ」

text by 下薗昌記 photo by Masaki Shimozono , Kazhito Yamada / Kaz Photography

「ブラジルにとって最高のお手本はドイツだ」

――オーランドでの契約が終わった後、サンパウロで引退する可能性はあるのか?

「まだ引退については考えていない。僕のオーランドとの契約は3年だ。ただ、今の段階で僕はセカンドキャリアを考えていない。でも引退するクラブは、僕との結びつきが非常に強い場所になるだろうね」

――ブラジルのサッカー界でしばしば議論になるのが、欧州でブラジル人監督が活躍していないことだ。君は欧州で長いキャリアを持つが、そのことについての見解は?

「僕もそのことはきちんと説明出来ないな。欧州ではフェリポンやルシェンブルゴ、ジーコが指揮をとってきたよね。僕が説明するのは難しいけど、ブラジルのサッカー界は様々な点において変革を必要としていると思う。

 カレンダーの問題や運営もそうだし、より良き監督を育てる仕組みもそうだ。欧州では全ての国で指導者の育成が行われているが、ここブラジルではそうじゃない。僕が思うにブラジルにとって最高のお手本はドイツだと思う。ドイツは再び準決勝に進出したが、あの国は長期の視点で成長戦略がなされている(編注:取材はW杯準決勝の前)。

 でもブラジルでは目先のことばかりだし、監督についてもそうだよね。クラブはすぐに結果だけを求めるし、だから監督も長期の計画を持ちようがない。ブラジルのサッカー界には変革が必要なんだ。

 僕はブラジルのサッカー界はもっと成長出来ると思っているが、そのためには改革や組織改編は不可欠だ。選手や指導者の育成、カレンダー、クラブの運営など全ての面においてだね。そうすれば、ブラジルは世界でも屈指の競争力のある国であり続けることができる」

【了】

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