タミル・イーラムや南オセチア、ダルフールなど。FIFAから閉め出されている代表チームによる、もう一つのW杯

2014年07月21日(Mon)17時32分配信

text by 実川元子 photo 実川元子
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ConIFAにかける会長の信念

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ペール-アンデルス・ブランドConIFA会長。ConIFAを国際的な文化交流組織にしたい、と意気込む信念と行動力の人

 そこで新たな組織の立ち上げに名乗りを上げたのが、VIVA W杯第一回大会から審判として参加し、NFボードの運営にもかかわってきたブランドだ。事業開発コンサルタントであるブランドは、ビジネスとして持続性を持たせれば、グローバル化が進んだ将来には、少数民族や独立「国」や共同体によるサッカー協会をまとめる組織は、FIFA以上に大きな規模となる可能性がある、と考えた。

 だが、ビジネス以上に創設に向けて彼を突き動かしたのは、個人的な経験に基づいた信念と、40年以上かかわってきたサッカーへの愛である。「サーミ人の両親からノルウェーで生まれた私は、3歳でスウェーデンに移住後酷いいじめにあってきた。殴られ、服を破かれる暴力ならまだいい。目には見えない差別にどれだけ苦しめられたか。グレてもおかしくなかった自分を救ってくれたのがサッカーと音楽だった」という。

 人種、民族や宗教による差別に苦しむ人たちが、自らのアイデンティティを見出し、それに誇りを持ち、世界に向けて自分たちの文化を訴える力を、サッカーは与えてくれる――それがブランド会長の信念となった。

 現在、ConIFAには22のサッカー協会が加盟している。今回、ワールドフットボール・カップに参加した12の代表チームを、そのサッカーとともに紹介してみよう。

 加盟メンバーは大きく3つのタイプに分けられる。第一に、独立を宣言し国際的に承認もされているがFIFAには加盟できていない「国」。

 アゼルバイジャン共和国西部にあるアルメニア人のナゴルノ・カラバフ共和は、1991年にアゼルバイジャンからの独立を宣言、現在は自治を行なっている。駆けつけた70名のサポーターは、自国では公の場での露出を禁止されている国旗を振り、選手とともに高らかに国歌を斉唱した。

 熱い応援に後押しされ、国内リーグの精鋭が集められたという選手たちはキックオフ直後から猛ダッシュを繰り返し、ピッチを広く使ったサッカーを見せた。惜しいのはスタミナが最後まで続かず、後半終盤に押し込まれての敗戦が多かったこと。結果は9位。

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