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2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って:第8回 キローラン木鈴・菜入(東京ヴェルディ)

シリーズ:2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って text by 海江田哲朗 photo by Tetsuro Kaieda , Asuka Kudo / Football Channel

常に2人で成長を続ける兄弟。1台のクルマを折半で購入

 強みは、自分の能力がJ2の水準に達しているという確たる自信を持つことである。まずはプレーの感覚を戻し、以前のパフォーマンスに近づけ、そこからさらなるレベルアップを計ることになる。

「北九州で三浦監督に起用され、自分のせいで失点し、落とした試合もあったんです。たぶん、監督も替えようと思ったことは何度かあったんじゃないですかね。それでも使い続けてくれて、感謝しています。

 初勝利はうれしかったな(2012年5月3日、第12節の町田ゼルビア戦。1‐0)。5試合目でやっと勝てた。チームが勝つと、自信がつきます。充分にやれるぞ、と思えた」

 菜入との性格の違いについてはこう語った。

2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って:第8回 キローラン木鈴・菜入(東京ヴェルディ)
山浦新【写真:海江田哲朗】

「僕より場を盛り上げられるし、面白いキャラ。あいつのほうが後輩思いで、下からも慕われやすい。僕はどうも怖い印象があるみたいで。あと、菜入にはわがままをよく聞いてもらっています。家族だし、兄弟なので遠慮がない」

 昔からピッチのなかでは激しく言い争っていたが、ふたりはいつも一緒だった。プロになってからは1台のクルマを折半で購入し、仲よく練習場を行き来している。

「家の駐車スペースが1台分しかないから」(木鈴)と言うが、仮に2台分あったとしても結局は同じクルマに乗って通っているのではないかという気がする。

 木鈴については、お父さんみたいなキャラだったと証言する92年組の同期が複数いた。食事のときは「シン(山浦新・慶応大4年)、ちゃんとお茶碗を持ってごはんを食べなさい」と注意するなど、マナーについてもうるさい。

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