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アジア 10年前

ラオスリーグ得点王の日本人、本間和生。ハンガリーでもまれた“東欧のサムライ”、特異な環境が日本人離れのプレーを育む

text by 本多辰成 photo by Tatsunari Honda , Toyota FC

ラオスサッカーの現状と可能性

ラオスリーグ得点王の日本人、本間和生。ハンガリーでもまれた“東欧のサムライ”、特異な環境が日本人離れのプレーを育む
ヨーロッパからの移籍で初めてアジアサッカーに触れた本間の目には、ラオスサッカーのレベルはどのように映ったのだろう【写真提供:ラオ・トヨタFC】

 代表チームはこれまでアジア内でも目立った実績がなく、国内リーグもようやくプロ化への一歩を踏み出したところのラオスサッカー。だが、東南アジアに関わる日本のサッカー関係者らからは、タイ同様にそのポテンシャルの高さを評価する声が少なくない。

 ヨーロッパからの移籍で初めてアジアサッカーに触れた本間の目には、ラオスサッカーのレベルはどのように映ったのだろう。

「うまいですよ、ラオスの選手は。どうやって試合に勝つのか、というところがまだ成熟していないんでしょうけど、ポテンシャルの高さは本当に毎日感じています」

「どんな国でもアジャストするのは大変」と本間は言うが、ラオスでも開幕は苦しいスタートだった。開幕戦で完封負けを喫すると、初ゴールは決めたものの2戦目も勝利はならず。3戦目で初勝利をあげたところから、本間のゴールラッシュも始まった。

 毎試合ゴールを積み重ねる本間に、次第にチーム内には「本間は点を取るもの」という空気が漂いはじめ、2戦続けてノーゴールならプレッシャーを感じたという。結果、シーズンを通してノーゴールに終わったのはわずか4試合、ハットトリックも「4試合か5試合」と本人もはっきりと記憶していないほど決めた。

 試合数をはるかに上回るゴール量産。それを支えたのは、異国の地で「外国人」として戦い続けてきた中で自然と育まれたゴールへのこだわりだった。

「ポジション柄、ゴールするためにサッカーをしているようなものなので。必ずしも数字という捉え方は僕はしないんですが、ゴール=結果だとは思っています。1ゴールに対する強い信念とか、こだわり、それは海外で自然に強く出てきたものだと思いますね」

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