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アジア 10年前

ラオスリーグ得点王の日本人、本間和生。ハンガリーでもまれた“東欧のサムライ”、特異な環境が日本人離れのプレーを育む

ラオスで得点王となった日本人選手、本間和生。東欧ハンガリーで長く活躍。着実に結果を残し続けただけに、その実力は確かだ。近年、日本人選手の移籍が増えている東南アジアの可能性を更に高める存在となりそうだ。

text by 本多辰成 photo by Tatsunari Honda , Toyota FC

17試合29ゴールで得点王に

ラオスリーグ得点王の日本人、本間和生。ハンガリーでもまれた“東欧のサムライ”、特異な環境が日本人離れのプレーを育む
伊藤壇と本間和生。ともに各国で活躍している【写真:本多辰成】

 今季は約60名がプレーするタイリーグを筆頭に、アジアのリーグを舞台に戦う日本人選手が急速に増えてきた昨今。その流れは今、東南アジアにおいて、中心地のタイからその周辺国へと広がりつつある。

 新潟アルビレックス・プノンペンやトライアジア・プノンペンFCといった日系クラブが進出しているカンボジア、民主化によって再び動き出したアジアの古豪・ミャンマーなどのリーグでも近年、日本人選手が着実に増えはじめている。

 そして、今季は同じくタイの隣国であるラオスでも日本人選手が初参戦した。計17のリーグでプレー経験を持つ“アジアの渡り鳥”こと伊藤壇がラオ・トヨタFCと契約したのを皮切りに続々と日本人選手が加入、最終的には8名がラオス・プレミアリーグでプレーした。

 同リーグは計10クラブと小規模であるため、すでに7月いっぱいで全日程を終了。ラオ・トヨタFCのエースとして活躍した日本人、本間和生がリーグ得点王となった。全18節中、累積警告で出場できなかった1試合を除いた全試合に先発し、17試合で29ゴールという量産ぶりでタイトルを獲得した。

 本間といえば、昨季までハンガリーリーグのクラブに所属していた知る人ぞ知る“東欧のサムライ”。22歳の時に初めて海を渡ると、セルビア、ハンガリーという東ヨーロッパのリーグを舞台に計11シーズンを一人戦ってきた。

 そして34歳となった今季、新天地として選んだラオス・プレミアリーグ。“東欧のサムライ”はどのようにして東南アジアの小国・ラオスに辿り着き、そこでどんなサッカーを体感したのか。

 ラオス・プレミアリーグ得点王の見たラオスサッカーの現状と可能性、そこからは加速する日本人選手によるアジア進出の新たな展開も見えてくる。

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