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“もみ消された”クリロナの暴行。リーガに影を落とすレアルとスペインサッカー協会の黒い蜜月

text by 山本美智子 photo by Getty Images

ニュース映像に問題のシーンなし。不可解な選別

 中継権利局はニュース映像を他局に送るのだが、このロナウドの映像が含まれていなかったのだ。ある民放の記者がこの件を個人のtwitterで訴えると、中継権を持っていた国営放送はニュース映像の中にこの映像を入れたと反論。その送った映像を選別したのは、スペインサッカー協会だと解答したのだ。

 ジャッジミスは仕方ない。ジャッジも人間であり、そういった全てを含んだ上でサッカーという競技は成り立っているのだから。だが、個人攻撃やある一定のクラブチームが常にひいきされたり、逆に損したりする状況がある場合、それは公に糾弾されるべきだ。

 間に協会の存在が見え隠れするなど、もってのほかだ。スペインサッカー協会の敷地内にレアル・マドリーの練習場があり、両者の関係が親密なのは知られているが、だからといって、協会に1クラブに不利な映像を流さないなどといったメディア制圧が、許されるはずもない。

 シーズンは始まったばかりだが、既にこのような黒い影が噴出しているのに複雑な思いを抱えている。フェアプレーとは選手だけに強いるものではない。ジャッジ、サポーター、メディア、協会にも、同様に強いられるものであって欲しいと思う。

【了】

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