フットボールチャンネル

代表 10年前

もはやリベリーは必要ない? 若手中心でリスタートしたフランス代表。「ポグバマニア」なる熱狂的ファンも

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

W杯の4-3-3に加えて4-2-3-1のシステムも導入

 レ・ブルーが目標に掲げる、2016年の自国開催のユーロ優勝に向け、この2年の間にデシャン監督が煮詰めていきたい点が2つある。

 ひとつは、サブメンバーの質を上げ、レギュラー陣との差を埋めること。

 指揮官はセルビア戦を、サブメンバーにプレータイムを与える場と位置づけ、W杯での控え組、カベラ、シュナイデルラン、ディーニュらを先発で起用した。

 左MFで先発出場したカベラは序盤からアグレッシブに動き、13分、ポグバが決めた先制点では絶妙な左CKでゴールの起点となった。

 今夏、サウサンプトンからの移籍を希望していたシュナイデルランも、残留が決まると、第3節のウェストハム戦では2得点を挙げるなど、奮起している。

 先発出場はW杯のグループリーグ対エクアドル戦(0-0)以来2度目だが、クラブでの活躍ぶりを見ると、今後もレ・ブルーでの出場時間は増えることだろう。

 この試合のように、キャバイエがアンカーを務めた中盤逆三角形の左の一角のほか、クラブ同様、ダブルボランチでのプレーも可能で、プレミアリーグ随一のインターセプト数を誇るシュナイデルランは、レ・ブルーにとって確実に戦力となる。

 そしてふたつ目は、システムのオプションを増やすことだ。スペイン戦では、デシャン監督は、W杯で使い込んだ4-3-3のシステムに若干手を加えてきた。

 中盤に、キャバイエがアンカーの逆三角形を据える代わりに、ポグバとマテュイディのダブルボランチ、バルブエナをトップ下に置く4-2-3-1の布陣を採用。この試合では、キャバイエを控えに回してシソコを右サイドで起用した。

 W杯では右サイドから際どいチャンスを量産し続けたバルブエナは、トップ下でも精度の高いクロスを放つなどゲームメイクに奔走、73分のレミーの得点シーンでも、見事な折り返しのパスでアシストしている。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top