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【徹マガ・スペシャルインタビュー】森哲也(フットボール批評編集長)「志を持った媒体であり続けないといけない」(その1)

text by 宇都宮徹壱 photo by Tete_Utsunomiya

サッカーではなくフットボール

【徹マガ・スペシャルインタビュー】森哲也(フットボール批評編集長)「志を持った媒体であり続けないといけない」(その1)
【写真:(C)Tete_Utsunomiya】

――あらためてカンゼンという新たな版元について考えてみたいと思います。カンゼンさんからは、これまでにも『フットボールサミット』やさまざまなサッカー本を世に送り出してきました。私も2年前に『松本山雅劇場』を出させていただいています。いつ頃からサッカー本をだすようになったのでしょうか?

「もともとレッカ社という編集プロダクションがあって、自分たちで出版をやろうと立ち上げたのがカンゼンという会社です。それが2001年ですから、会社としては新しいですよね。

それで2002年に初めてサッカー関連本で『J.LEAGUE KANZEN DATABOOK』というのを出版したんです。それ自体はぜんぜん売れなかったそうですが、だんだんサッカーがわかる編集者が集まってきて、その流れの中で双葉社さんからサッカー批評の編集を委託されることになったんです」

――そこからサッカー批評をひとつの幹としながら、『フットボールサミット』やウェブの『フットボールチャンネル』が次々とできていったという印象です。カンゼンにとって、サッカーがメインコンテンツとなっていったのは、いつ頃でしょうか?

「ここ2、3年ですね。それまでサッカー本はいくつも出していたんですが、それがメインだったかというと、そうでもなかったです。カンゼンでは季刊『ジュニアサッカーを応援しよう!』という雑誌を2006年から刊行を続けてきて、2010年の秋に『フットボールサミット』を立ち上げるあたりからサッカーの書籍も一気に増え始めて、それからウェブの『フットボールチャンネル』が立ち上がったという感じですね」

――『フットボールサミット』にしても『フットボールチャンネル』にしても、そして今度立ち上がる『フットボール批評』にしても、いずれもサッカーではなくフットボールを冠していますよね。これはカンゼンさんとしてのこだわりでしょうか?

「そんなことはないと思います(笑)。そのへんはサッカー協会と一緒かもしれません。JFAはフットボール・アソシエ-ションなのに、日本語ではサッカー協会となる。佐山一郎さんは以前、『どちらかに統一するという議論があってもいい』とおっしゃっていましたね。雑誌としては国内サッカーを重点的にはやっていくんですけど、フットボールというワールドワイドなイメージは大事にしていきたいとは思っています」

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