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【徹マガ・スペシャルインタビュー】森哲也(フットボール批評編集長)「志を持った媒体であり続けないといけない」(その1)

text by 宇都宮徹壱 photo by Tete_Utsunomiya

「同じ『批評』でも、カラーは自ずと違ってくるはず」

――それは「批評的」ではなくなるっていう事ですかね?

「そう受け取りました。『引き継ぎはどうしますか?』って話もしたんですけど、そのときは特に必要ないという回答だったんです。それで思ったのが、僕らがやってきた硬派な媒体というのは、やっぱり無くしてしまってはいけないと。それで双葉社さんには『われわれとしては、新たな批評の雑誌を立ち上げていきたい』というお話をして、いちおうは筋を通したんです」

――その提案は、すんなり受け入れられたんですか?

「すんなりだったかは、わかりません。けど『これからはお互いライバルとして切磋琢磨していきましょう』という流れではありましたね」

――そこで、2つの批評雑誌が生まれることになったと。気になるのが連載陣の行方です。これまで『サッカー批評』では、いくつかの名物連載があったじゃないですか。それらは本家の『サッカー批評』に行くのか、それとも硬派路線を継承した『フットボール批評』に行くのか、読者としては非常に気になるところだと思うのですが。

「それについては、実際に『フットボール批評』を読んで確認していただきたいと思います。基本的には、これまで『サッカー批評』で連載していただいた方々は、こちらのほうで引き続き書いていただけることになりました。ただし全員というわけではありません」

――つまり連載に関しては、『フットボール批評』に移る書き手もいれば、『サッカー批評』に残るというか、あちらに行ってしまう書き手も出てくるということですね。ねじれ現象というか、ちょっとややこしい状況にはなっちゃいましたね。

「こういうことになって、結果的にご迷惑をおかけすることになったライターさんもいらっしゃるのは申し訳ないと思っています。ただ、同じ『批評』でも、カラーは自ずと違ってくるはずなので、そこは切磋琢磨していければと思っています。

もっとも、あちらも本当に批評的な内容になるのかというと、それは出てみないとわからないですね。そういう雑誌が、商業ベースで難しいという判断から、こういうことになったわけですし」

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