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フットボールマネーを追え!【04】高騰を続ける放映権料。W杯収益の2/3を占め、CLは20年間で20倍に

シリーズ:フットボールマネーを追え! text by 小松孝 photo by Getty Images

リーグ別ではプレミアが圧倒。2大放送局がしのぎを削る

 では、どれくらいの放送局が、このCLに関わっているか。

フットボールマネーを追え!【04】高騰を続ける放映権料。W杯収益の2/3を占め、CLは20年間で20倍に
放映権収入をリーグ別に見てみると、欧州サッカー5大国のなかでも、収益規模と共に抜きん出ているのがイングランドのプレミアリーグである【写真:Getty Images】

 現在、2012年から15年までの3季分の契約が続行中だが、全世界75カ国の放送局が契約を結び、71の無料チャンネルと、82の有料放送で構成されている。

 次に、放映権収入をリーグ別に見てみると、欧州サッカー5大国のなかでも、収益規模と共に抜きん出ているのがイングランドのプレミアリーグである。そしてその放映権の両翼を担っているのがスカイスポーツとBTスポーツである。

 スカイスポーツは、1992年のプレミアリーグ創設の張本人とされる世界のメディア王ルパート・マードック氏が手中に持つBスカイBによって運営されている放送局だ。

 07/08シーズンに放映権の約22%をアイルランドの放送局セタンタ・スポーツ(現ESPN)に譲るまで、リーグ新設の92/93シーズンから、実に15季連続でプレミアリーグの放映権を独占していたのである。

 BスカイBの契約者数は現在、1,000万人を超えると言われているが、スポーツ中継としては後発の英大手通信BTも、すでに約400万世帯の視聴者を抱えているとされている。

 そうしたなか、BTは、傘下のBTスポーツを通じてCLとELを独占生中継するため、2015年から18年までの3季分合計として、全350試合の放映権に総額8億9,700万ポンド(約1,400億円)を投じたのだ。

 英国内でのCLとELの放送は、スカイスポーツと民放大手のITVの2社によるものだっただけに、BTは事実上、BスカイBに対して真っ向から挑戦状を叩きつける格好となった。

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