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本田圭佑 10年前

「点取り屋として覚醒、二桁ゴールを挙げる」。開幕2戦連発の本田、インザーギ監督の戦術によってゴールセンス磨かれる

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

煩雑なポジションチェンジで相手DFに混乱を与える

 ベースとなったのは、インザーギ監督が仕込んだ煩雑なポジションチェンジと、オフ・ザ・ボールの動きだ。味方同士、互いが入れ替わるようにスペースへと流れ、相手のDFラインに混乱を与える。

 個人技とスピードに運動量を備えるメネズを“ニセ9番”として起用する戦術もその一貫であり、彼はCFの位置から降り前後左右に流れて、ボールを触りゲームを作る。

 その味方もまた、マーカーの視野から逃れる動きを細かく入れてポジションを取る。本田も一つの位置に張り付かず、メネズやボナベントゥーラ、また同サイドのポーリやアバーテとの位置関係を気にしながらスペースへと流れる動きを頻繁に繰り返した。

 対面のデ・チェリエをはじめとするパルマのDFは、徐々にポジショニングの判断に迷いを見せ始めた。

 そして25分のアシストの場面では、パルマ守備陣を混乱させた末に理想的なポジショングが取れていた。下がったメネズ、その代わりに前線へと飛び出した本田ともにフリー。そしてメネズがクイックなパスを本田に入れて、スイッチが入った。

 これはカットに出たDFの足に当たるものの、本田が前線でキープ。これに慌ててパルマのDF陣が寄るが、その背後にもボナベントゥーラが流れてフリー。これを見抜いた本田は正確にパスを出し、ゴールを演出した。

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