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本田圭佑 9年前

歴史的ミラノダービー。5年前は「漫画の世界」。チームを牽引した長友、本田のベンチは“周囲の能力不足”

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

右サイドで攻撃の核となった長友

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右サイドの長友が攻撃の核となった【写真:Getty Images】

 インテルにとって、左SBを務めるドドの突破力や攻撃力は武器の1つとなっている。マンチーニ監督に代わってもそれは変わらない特徴であり、ミランもドドに対しては厳しくマークを付けてきた。

 ボールが渡れば即プレスをかけられ、前線に走りこめばタックルを見舞われる。その結果、ムンタリによって顔面に傷を負わされるなど満身創痍な90分となってしまった。

 こうして左サイドを封じられたインテルだが、代わって右サイドの長友が攻撃の核となった。プレーエリアを見ると、アタッキングサードに侵入した割合は39.13%。さらにクロスは8本を記録。

 ドドはアタッキングサード侵入率が18.55%でクロスは5本、ミランの右SBラミは同20.84%でクロス3本、左SBデ・シリオは同27.12%でクロス1本だったため、この試合でSBを務めた4選手中最高の数字となった。

 チーム全体を見ると、パス本数はミランの309本に対して417本と大きく上回り、ポゼッション率でも55.6%を記録した。

 それでも、アタッキングサードでのパス本数はミランの114本に対して117本とわずかな差しか生まれず、CK本数(7本対4本)、シュート数(10本対8本)、チャンスメイク数(7回対4回)で下回る結果となった。

 これは、ミランがカウンターを狙うスタイルであることが要因であり、パス本数もポゼッション率も下回ることはインザーギ監督にとって“狙い通り”だったと言える。新体制初陣のインテルはチームの完成度の面で劣っていた。

 そういった展開であってもインテルが90分を通して渡り合うことが出来たのは、長友の存在が大きい。左サイドが徹底マークされ、攻撃の形も出来上がっていない状況で果敢に右サイドを攻め上がって相手DFを苦しめた。

 同点弾となった61分のオビの得点は長友のクロスから生まれたものであり、彼の貢献度は非常に高かったと言えるだろう。

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