2部ニームに「八百長」、マルセイユに「移籍金絡みの賄賂」。2大汚職が同時に勃発したフランス

2014年11月24日(Mon)14時37分配信

text by 小川由紀子 photo Getty Images
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「ただパスまわしをしているだけ」。両者WIN-WINのカーン戦

 中でも、今回の八百長事件の焦点になっているのが、最終節の3日前に行なわれたカーン戦だ。この件が明るみになったのも、『カナール・アンシェネ』紙が、コンラッド会長と、カーンのフォルタン会長の電話での会話をすっぱ抜いたのがきっかけだった。

 そもそも両者の対戦は、3月14日に行なわれるはずの第28節だった。ところがカーンのあるノルマンディ地方が深い霧に覆われ、移動の飛行機が着陸できる状態になかったために、最終節の直前という微妙な時期に延期になっていた。

 リーグ1昇格を睨んでいたカーンは、最終節を残した時点で2位につけてはいたが、3位のランスとは勝ち点で並び、4位のナンシーも勝ち点2差と、ラスト1戦でひっくり返される危険を残していた。

 そしてニームも、37節を終えて18位のシャトールーとは勝ち点2差と、降格の可能性を残していた。両者にとって必要なのは、互いが「勝ち点1を分け合う」ことだった。

 そして試合は、29分にカーンが先制したが、35分にニームが同点に追いつき、後半戦はそのスコアのまま1-1で終了。首尾よく両者が勝ち点1を分け合った。

 結果、カーンは得失点差では大きくリードしていた4位のナンシーに3点差をつけ、昇格をほぼ手中におさめた状態でラスト一戦に臨むことができた。ニームも、降格圏とのマージンが3点に広がり、最終的に15位でシーズンを終えた。

 カーンとニームは、昇格と残留というそれぞれの目的を果たした。つまり、この対戦のドローにより、両者「WIN-WIN」のシチュエーションとなったわけだ。

 この試合で笛を吹いた主審は、警察での聴取の際、「後半戦は両チームともまるで勝負をやめてしまったかのように、ただパスまわしをしているだけだった」と証言している。

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