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2部ニームに「八百長」、マルセイユに「移籍金絡みの賄賂」。2大汚職が同時に勃発したフランス

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

事件発覚の2日後に会長は辞任

 また、この試合の日、ニームご一行を乗せたバスから、大量のワイン箱が下ろされていたことも目撃されている。

 警備にあたったポリスやリーグのスタッフもそのことに気づき、不審に思っていたということだが、両者の間になんらかの取り決めがあったとするなら、その謝礼が、“封筒”ではなく、ワインだった可能性が高い。

 この後より詳しい調査が行なわれ、これが事実だったと証明されれば、コンラッド会長には5年の実刑と、7万5000ユーロ(約1100万円)の罰金という厳罰がくだされるという。

 いや、コンラッド氏はすでに会長ではない。事件発覚後の2日後に、自ら辞任を発表したからだ。

 その際、「会長職から離れた立場となって、これからは、身の潔白を証明することに全力を注ぐ」と宣言。八百長の容疑を全面的に否定している。

 フランスでの八百長事件といえば、92-93シーズンのヴァランシエンヌ対マルセイユ戦で、マルセイユがリーグ優勝のためにヴァランシエンヌの選手を買収した一件が、同国のサッカー史上最悪のスキャンダルだ。

 有罪となったマルセイユは、タイトルを剥奪され、リーグ2へ強制的に降格となっている。ニームとカーンにも、何らかの処分がくだされることになるだろう。

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