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スペインリーグで悲劇。極右と極左が試合前に乱闘し1人死亡

text by 編集部 photo by Getty Images

スペインリーグで悲劇。極右と極左が試合前に乱闘し1人死亡
リーガエスパニョーラ第13節アトレティコ・マドリー対デポルティボの試合前に…【写真:Getty Images】

 現地時間30日、リーガエスパニョーラ第13節アトレティコ・マドリー対デポルティボの試合が始まる3時間前に両クラブの“ウルトラス”(フーリガン)が乱闘。これにより、1人が死亡した。スペイン複数メディアが伝えている。

 亡くなったデポルティボのサポーターの“ジミー”ことフランシスコ・ロメロ氏(43)は、アトレティコの過激一派フレンテ・アトレティコに集団で囲まれ、アトレティコの本拠地ビセンテ・カルデロンの側にあるマンサナレス川に飛び降りたと、フレンテ・アトレティコの一員がスペインラジオ『カデナ・コペ』で語っている。

 フランシスコ氏は極度の低体温、心停止と外傷性脳損傷を負い、病院に搬送されたが、現地時間14時頃に息を引き取った。フランシスコ氏はデポルティボで最も過激な極左一派リアソール・ブルーの一員。『エフェ通信』によると4歳と19歳の子供を一人で育てていた。

 乱闘は朝9時にビセンテ・カルデロンの周辺で始まり、およそ200人が参加した。その内、24人が逮捕され(6人は前科持ち)100人の身元が確認された。刃物で傷を負った者が3人、頭部の打撲傷が3人、顔面外傷が1人、軽度の打撲傷が3人、そして警察官が指を骨折している。

 喧嘩にはリアソール・ブルーの他にラージョのブカネロスと2部リーグに属するアルコルコンのアルコル・フーリガンが、極左という繋がりで手を組みアトレティコの極右軍団フレンテ・アトレティコと、2月にR・ブルーとやり合ったスポルティングのウルトラ・ボーイズに立ち向かった。

 また、あるフレンテ・アトレティコの一員は、喧嘩は計画されていたと『カデナ・コペ』で語り、26日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)第5節オリンピアコス戦が終わってから決まったと主張。

 スペインプロリーグ機構(LFP)は、公式声明を通じて「試合の中止を勧めた」と、遺憾の意を伝えた。しかしスペインサッカー連盟(RFEF)は『エフェ通信』に「試合開始11分前に報告を受けた時はほぼ満席で、警察からも連絡が無かったため中止しなかった」と述べるなど、見解に違いが見られる。

【了】

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