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本田圭佑 9年前

「手応えあり」。巧みな連携にピッチで根拠を得た本田。“決定的な存在”への最終課題とは――

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ゴールラッシュの鍵は「悪辣さ」

「手応えあり」。巧みな連携にピッチで根拠を得た本田。“決定的な存在”への最終課題とは――
プレイ内容では地元記者も唸らせていた本田圭佑だったが…【写真:Getty Images】

 プレイ内容では地元記者も唸らせていた本田だったが、もっともノーゴールという結果は継続中だ。

 試合後のファンの反応を拾うと、「PKは取ったが本田は良くなかった」「シュートチャンスを外していた。メネズと入れ替わった感じ」という声もあったが、彼らは結果を重んじる。逆にいくら美技を連発してもゴールに繋がらなければ、「キザ」と言われて嫌われるような世界だ。

 42分のメネズのクロスには飛び込みが遅れ、43分のボネーラのクロスには処理に時間をかけすぎた。

 ストライカーとしてプレイをしていなかった彼に、エリア内で瞬時に最適なイメージを描いてシュートまで行け、というのも難しい注文だろう。ただそういうところをものに出来るようになると、「決定的な存在」と評価されることになる。

 一瞬のシュートチャンスを逃さない冷酷さと、そのイメージを可能にするための技術とパワー。

「イタリアでは“カッティヴェリア(悪辣さ)”というんだが、そういうところなんだろうな」

 トゥットスポルトのフェデリコ・マジーニ記者に談話を取った際、彼はそう言っていた。厳しいマークの中でもチャンスを作れるようになった本田が、シュートチャンスでそんな資質をコンスタントに発揮した時、再びゴールラッシュが始まるのだろう。

【了】

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