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元なでしこジャパン守護神・山郷が現役引退。4度のW杯に出場し優勝にも貢献

text by 編集部 photo by Getty Images

元なでしこジャパン守護神・山郷が現役引退。4度のW杯に出場し優勝にも貢献
元なでしこジャパン守護神の山郷のぞみ【写真:Getty Images】

 なでしこリーグのASエルフェン埼玉に所属するGK山郷のぞみが9日、クラブを通して今季限りでの引退を発表した。

 1975年生まれの山郷は1993年にプリマハムFCくノ一(現・伊賀フットボールクラブくノ一)でデビューし、1年のアメリカ挑戦を経て、現在まで日本でリーグ戦326試合に出場。女子サッカー界でリーグ戦300試合出場を記録した史上初めての選手だ。

 また、Lリーグ時代の1995年には日本女子サッカーリーグ史上唯一の全勝優勝も経験している。

 代表では1997年のデビュー以降、1999年、2003年、2007年、そして2011年と4度のW杯に出場し、国際Aマッチ96試合に出場した。2011年のドイツ大会では出場機会こそなかったものの、チームの精神的支柱としてW杯優勝に大きく貢献している。

 W杯優勝後の2013年には前身のさいたまレイナスFC時代から長くプレーした浦和レッズレディースを退団し、チャレンジリーグのASエルフェン狭山(当時)に移籍。経験の浅い選手たちを最後方から大きな声と正確なセービングで鼓舞し、入団から1年でチームをなでしこリーグ昇格に導いた。

 今回の現役引退に際し、山郷はクラブ公式HPで「女子サッカーの苦難の時代から現在に至るまで、応援してくださったサポーター、関係者、先輩、そして喜びも苦しみも分け合い一緒に闘ってきた仲間に、心から感謝します」とコメントを発表している。

 リーグ戦はすでに終了したが、まだ山郷の気迫のこもったプレーを見るチャンスがある。元旦に決勝を迎える皇后杯だ。

 山郷が所属するASエルフェン埼玉は、3回戦から出場のため、12月14日に静岡県の藤枝総合運動公園サッカー場で古巣である伊賀フットボールクラブくノ一と対戦する。

 日本女子サッカー界における正真正銘のレジェンドが、現役最後に臨む大会。そのプレーに注目だ。

【了】

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