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【豪州戦プレビュー】立ちはだかるルグエン。キャプテン不在のサッカルーズが難敵オマーンを迎え撃つ

text by 植松久隆 photo by Getty Images

リベンジに燃えるルグエン。決戦は今夜

【豪州戦プレビュー】立ちはだかるルグエン。キャプテン不在のサッカルーズが難敵オマーンを迎え撃つ
ジェディナクに代わりキャプテンマークを巻くことが確実なケーヒル【写真:Getty Images】

 そのオマーンを率いるポール・ルグエン監督が、実はサッカルーズの監督の有力候補となった過去を持つことは余り知られていない。2010年のW杯南アフリカ大会終了時点での退任が決まっていたピム元監督の後任候補として、当時FFAのアドバイザーを務めていたジェラール・ウリエの推薦で名前が挙がった。これには、ルグエン本人も就任に大いに乗り気だったとされる。

 しかし、W杯南アフリカ大会でルグエンが率いたカメルーンの出来を見て、FFAが方針転換。結局、後任の監督には当時W杯誘致活動でFFAと関係の深かったフランツ・ベッケンバウアーの強い推薦を受けたホルガー・オジェック前監督に就任した。さらには、2013年にオジェック前監督が解任された折にも、ルグエン監督側からの強い売り込みがあったと言われている。この時は、FFAのデービッド・ギャロップCEOがオーストラリア人監督の誕生にこだわったことで、再び、話は流れる。結果的にルグエンは、サッカルーズの監督職を二度までも逃すことになった。

 そんなルグエンの心のどこかに、「求めて、二度もフラれた」サッカルーズに一泡吹かせてやろうというリベンジの意識があっても驚かない。秘めたるモチベーションを有する策士・ルグエンが、韓国を苦しめた仕上がりの良いチームを指揮して全力でぶつかってくる。オーストラリアは、ブリスベンでの韓国戦(17日)のことばかり考えていれば、その一歩前で足をすくわれかねない。

 ジェディナクに代わって、この試合ではケーヒルがキャプテンマークを巻くことが確実だ。「(大事な試合でキャプテンを任されるのは)とても、とても大きな栄誉。自分のキャリアの中で、そんな機会を得られるのは素晴らしいこと」と語る不動のカリスマが、キャプテンの重責をも背負いつつ、最前線からチームを鼓舞するゲームは、ファンでなくとも必見だ。

 サッカルーズが、初戦の快勝の勢いそのままに予選グループ突破第1号となるか。はたまた、オマーンが三度、オーストラリアをハッとさせるのか―注目の対戦は、13日現地時間午後8時(日本時間午後6時)、キックオフ。

【了】

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