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新参者ケヴィン・カンプル。平坦ではなかった道程。苦労人はドルトムントの救世主となるか

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ザルツブルクで肉体改造。「クロップ好み」の選手に

新参者ケヴィン・カンプル。平坦ではなかった道程。苦労人はドルトムントの救世主となるか
ユルゲン・クロップ監督【写真:Getty Images】

 移籍市場専門サイトのトランスファー・マルクトによれば、カンプルは19歳で2010年3月8日にレバークーゼンのトップ・チームに昇格している。そしておよそ半年後、8月30日に2部のグロイター・フュルトにレンタル移籍となった。

 しかし目立った活躍の出来なかったカンプルは、翌2011年1月1日にレバークーゼンに戻り、また約半年後の7月1日に3部のオスナブリュックに完全移籍となる。0円移籍だった。

 その1年後の2012年7月1日には2部のアーレンに移籍し、その年の8月31日にドイツを離れる。国境を超えて、オーストリア1部のレッドブル・ザルツブルクに移った。

 シュポルト・ビルト誌によれば、ザルツブルクでカンプルは、アスレティック・トレーナーのオリバー・バートレットとともに肉体改造に取り組んだ。今では178cmで65kgある体重は、それまで60kgにも満たなかった。

 またバートレットは、2008年7月から4年間、フィットネス・コーチとしてBVBでクロップとともに働いている。そのことも関係しているのかは定かではないが、実際にクロップは、カンプルを注意深く観察していたという。いつどこで誰が見ているかは分からない。

 シュポルト・ビルト誌は、クロップがカンプルの中に「マリオ・ゲッツェとマルコ・ロイスの混合を見ている」とする。

 クロップ「我々は初日からケヴィンに驚くべきことを期待してはいない。しかし我々はまた、彼が始めから先頭に立ったとしても反対はしないよ」

 かつてザルツブルクで育成コーチを務めたピーター・ヒバラが「クロップ好みの選手だ」と言うように、カンプルはまた現在レバークーゼンで指揮を執るシュミット監督の下で「クロップ好みの」プレー・スタイルを身につけた。

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