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新参者ケヴィン・カンプル。平坦ではなかった道程。苦労人はドルトムントの救世主となるか

text by 本田千尋 photo by Getty Images

夢を叶えたカンプル。初戦は古巣レバークーゼン

 フィジカルの改善にも成功し、2014年には、ザルツブルクがリーグ戦とカップ戦の双方を制覇する立役者となるまでになった。

 そして雌伏の時を終えることとなる。4年前に1部の名門から0円で3部のチームに移ったカンプルは、2015年1月、ザルツブルクから1200万ユーロ(約16億3000万円)の移籍金でドルトムントに完全移籍を果たした。2019年6月30日までの複数年契約である。

 シュミットのレバークーゼンも獲得に名乗りを上げたが、「子供の頃ドルトムントのシーツとカバーで寝ていた」カンプルは、ベッドの中で見ていた夢を叶えることを選んだ。プレー・スタイルが合っていることも含めて、12日付のキッカー紙では「ドルトムントがより熱心だった」とも語っている。

 しかしカンプルがレバークーゼンではなく、ドルトムントを選んだ理由は、それだけだろうか。カンプルの中には、かつてレバークーゼンから3部オスナブリュックに放出となったことに対する、反骨のようなものがあるのではないだろうか。

 それは単なる復讐心に留まらない、かつての自身への不甲斐なさも含んだ憤慨、とも言えるのかもしれない。

 ドルトムントは1月31日に後半戦の初戦をアウェイで迎える。対戦するのはレバークーゼンである。雌伏の時を終えたカンプルが、勇躍への第一歩とするにあたって、これ以上ない相手だ。

【了】

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