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元イングランド代表FWが古巣のユースコーチを突如辞任。クラブ崩壊の危機か

text by 編集部 photo by Getty Images

元イングランド代表FWが古巣のユースコーチを突如辞任。クラブ崩壊の危機か
昨季限りで現役を退いていたマイケル・ブリッジス氏【写真:Getty Images】

 Aリーグのニューカッスル・ジェッツは30日、同クラブ下部組織のコーチを務めていた元イングランド代表FWマイケル・ブリッジス氏が辞任することを発表した。

 昨年現役を引退するまで、キャリアの晩年を過ごしたクラブを突如離れることになったとあって多方面から驚きの声が聞かれたが、これには理由があった。

 ニューカッスル・ジェッツは28日、一度に5人の主力選手と3人のコーチングスタッフを解雇した。

 その中に含まれていたのは、キャプテンの元オランダ代表DFケウ・ヤリエンス、元オーストラリア代表のDFデイビッド・カーニー、DFエイドリアン・マダスキ、MFビリー・セレスキ、FWジョエル・グリフィスの5選手に加え、アシスタントコーチのクレイトン・ゼイン、GKコーチのニール・ヤング、コンディショニングコーチのアンドリュー・パッカーの合計8人だった。

 これを知ったブリッジス氏は30日にユースのコーチを辞任。30日付の豪紙『デイリー・テレグラフ』では「最近の現場スタッフとコーチ陣、フロントの間のコミュニケーションは適切な状態になかった」と明かした。

 さらに「僕が思うに、結果として(8人の)解雇は正しい方法で行われなかった」と主張し、クラブのフロントを痛烈に批判している。

 チェアマンのネイサン・ティンクラー氏はクラブ公式HP内のリリースで「マイケルの決断を尊重するが、クラブの前進に関われなくなることは残念」と惜別の念を述べたが、両者の間に何かしらの問題があることは間違いなさそうだ。

 また同氏は5選手の解雇に際し、「これらの決定は我々がジェッツの未来を担うと信じる若い選手たちがクラブの文化をよりよくしていくために最善の利益をもたらす」とコメントしている。

 一方、自ら職を辞したブリッジス氏だが、現役の最後を過ごしたクラブやニューカッスルという地域への感謝を述べ、今後も街を離れるつもりはないと同地への愛着を示している。

 ニューカッスル・ジェッツは24日のアデレード・ユナイテッド戦で0-7の大敗を喫したが、その試合には解雇となった5選手のうちセレスキ以外の4人は先発出場していた。

 選手たちと同じく水曜日に解雇されたゼイン元アシスタントコーチは豪テレビ局『ABC』で「明らかに何度かグループ内に調和の欠如があった」と語り、7失点での大敗だけが引き金ではないことを漏らす。

 ティンクラー氏は今季1勝しか挙げられていないことを問題視したと見られているが、この行動に今度はオーストラリアサッカー連盟が目をつけた。

 31日にクラブを売却するのか、このまま運営を続けるのか、2つの選択肢をティンクラー氏側に提示するという。

 また、解雇した選手やコーチ陣には給料の支払いが残っており、今後も半年間は多額の出費を要すると見られている。“崩壊”の危機に揺れるニューカッスル・ジェッツはどこへ向かうのか、アジアカップの裏でAリーグの未来を左右しかねない事態が発生している。

【了】

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