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横浜F・マリノス、2015補強診断。新監督でも浮沈の鍵は10番に

text by 編集部 photo by Getty Images

リーグ最少失点を記録した守備陣

横浜F・マリノス、2015補強診断。新監督でも浮沈の鍵は10番に
中澤佑二が歴代最高齢で全試合フルタイム出場を達成【写真:Getty Images】

 一方、リーグ戦7位、天皇杯3回戦敗退、ACLグループリーグ敗退という結果に終わったが、わずかに光明は見えた。

 守備陣はリーグ戦34試合で29失点という鉄壁ぶりでリーグ最少失点を記録。中澤佑二が歴代最高齢で全試合フルタイム出場を達成し、栗原勇蔵の離脱中にはファビオが台頭した。

 ファビオは本来のCBとしてだけでなく、中盤の底でも好プレーを披露。的確な潰しに加え、組み立ての面でもチームに貢献できる姿を披露した。今季からは尊敬する大先輩ドゥトラの背負っていた5番を着け、さらなる飛躍を目指す。

 一方、開幕を前にして負傷者の続出だけは気がかりだ。大黒柱・中村俊輔の長期離脱が確定し、1トップ候補だった伊藤、ラフィーニャ、端戸、矢島がキャンプ中に負傷してしまった。

 ラフィーニャと矢島は昨季から怪我が続いており、戦力として計算できるかどうかが怪しい。伊藤は開幕に間に合う可能性もあるが、得点源になるべき1トップが定まっておらず、大きな不安が残る。

 また、中村の代役不在は今季も変わっておらず、開幕からしばらくは苦戦が予想される。そこをどう打開していくかが当面の課題となるだろう。

 クラブを知り尽くした樋口靖洋監督が昨季限りで退団し、今季はエリック・モンバエルツ新監督を迎えてリスタートの年と見られていた。だが、ふたを開けてみれば即戦力獲得はゼロ。レンタルからの復帰組と新卒ルーキー以外に外国籍選手の補強もなければ、他クラブからの引き抜きもなかった。

 これにより見えてくるのは、樋口監督時代に築いてきた横浜FMのスタイルを継続していくという姿勢だ。元々完成度の高かったチームに、モンバエルツ新監督がどのようなエッセンスを加えるか。負傷者は多いが、本当の意味で実力を試される、勝負の1年となりそうだ。

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