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ポール・スコールズ:リオネル・メッシには1秒たりとも気を抜けない

text by フットボールブルー photo by Getty Images

「メッシが受けるプレッシャーは私とは比べものにならない」

ポール・スコールズ:リオネル・メッシには1秒たりとも気を抜けない
マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドとなったポール・スコールズ氏【写真:Getty Images】

 2度の決勝戦はまた違っていた。準備段階ではそれほど相手のことは考えず、自分たちに何ができるかを考えていた。ローマでの最初の試合の時にはクリスティアーノ・ロナウドとウェイン・ルーニーがいて、相手にダメージを与えることができると信じていた。バルサを過小評価していたのかもしれない。
(※2009年の決勝で2-0でバルセロナが勝利)

 バルセロナとの対戦に向けて準備をする時には、いつもお決まりの弱点に目を向けるものだ。ジェラール・ピケには少しスピードが欠けているし、ハビエル・マスチェラーノは本職のセンターバックではない。だがそういった弱点を突くことができるのは、ボールを持っている時だけだ。2011年の対戦でユナイテッドのポゼッション率は37%だった。我々はもっとボールを持つことに慣れていた。

 メッシに対して特別な対策のプランはなかった。ただ、最も近くにいる選手が当たりに行くというだけだ。2008年にはリオ・ファーディナンドが2試合とも彼に対して素晴らしいパフォーマンスを見せたが、毎回彼を抑え込むのは誰にとっても不可能だ。

 フィニッシャーとしてメッシほど冷静さを保つことができる選手はほとんどいない。彼ほど多彩なゴールパターンを持っていれば自信を持つことができるのも当然だ。

 私はプレッシャーの中でプレーしていると言われていた。マンチェスター出身であり、毎週勝利を義務付けられるユナイテッドの選手だったからだ。だがメッシが受けているプレッシャーはそれとは比べ物にならないし、クリスティアーノも同じだ。

 1試合でもゴールを決めなければ周囲はその理由を求めたがる。ファンだけではなく、状況をより知っているはずの元選手たちでも同じだ。我々は彼らに期待を持ち続けている。それでも結果を出し続ける2人は驚異的だ。

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