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ヴェンゲル監督、コクランの急成長から若手育成の鍵を弁論

text by 編集部 photo by Getty Images

ヴェンゲル監督、コクランの急成長から若手育成の鍵を弁論
アーセナルのMFコクラン【写真:Getty Images】

 イングランド・プレミアリーグのアーセナルを率いるアーセン・ヴェンゲル監督は、MFフランシス・コクランの著しい成長に驚きを隠せないようだ。

 23歳のコクランは2008年夏にアーセナルに加入。9月のリーグ杯でトップデビューを果たすも、出場機会を増やせずにレンタル移籍を繰り返していた。しかし、2013-14シーズンに加入したフライブルクで若手育成に定評があるクリスティアン・シュトライヒ監督の下で経験を積むと、守備の素質が徐々に開花。今季はチャンピオンシップ(英2部)のチャールトンに短期レンタルされ、1月アーセナルに呼び戻されていた。

 英紙『デイリー・メール』でヴェンゲル監督は「シーズンが始まる前、彼にはクリスマスまでに(アーセナルでやれる)力を証明しなければならないと伝えていたんだ。残りの契約も1年を切っていたし、彼が6ヶ月のあいだ出場できなければ放出しようと思っていた。まだ若いし、半年もプレーさせないことは彼にとって良いことではない。

 コクランは8月の段階でQPRへのローン移籍が決まりかけていた。しかし、締め切りに間に合わなかったため、2ヶ月後にチャールトンへ行った。私が主力のカバーとしてアーセナルに呼び戻した時に彼はあまり幸せそうではなかった」とコクランの苦悩を吐露した。

 復帰後のコクランは、負傷のMFミケル・アルテタやMFマテュー・フラミニに代わり、中盤のアンカーとして出場。12月下旬のウェストハム戦から12試合に出場し、選手層の薄い守備的なMFの穴を見事にカバーした。コクランは先月、2018年まで契約を延長している。

 ヴェンゲル監督は「全員が驚かされたね。コクランは自分の得意分野をうまく分析した。以前の彼はプレイメイキングやボックストゥボックスを行うMFを目指していたが、今はボールを奪うことに長けた守備的なMFが適性であることを理解した。選手は全ての能力を兼ね備えているわけではない。彼らが試合に出場するためには、何が得意なのかを表現しなければならない」と若手選手を激励した。

 アーセナルは水曜にアウェイでQPRと対戦する。前節のエバートン戦で鼻を骨折したコクランはマスクを着けて出場する可能性が報じられている。

【了】

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