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ポール・スコールズ:「エバンスがシセに向かって唾を吐いたとは思えない」。アーセナルにも言及

text by フットボールブルー photo by Getty Images

「アーセナルにはリーダーがいない」

 アーセナル移籍はエジルにとって安易な選択だった。ガナーズにはリーダーがいない

 2004-2005シーズンのスタートまで遡って対戦成績を集計すれば、マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルが過去11年間にわたってもはやライバルとは言えない関係になっていったことが実感できる。私の集計ではユナイテッドが17勝、引き分けが5回、アーセナルが6勝だ。ちなみにアーセナルの6勝には2004年コミュニティー・シールドや、翌5月に彼らがPK戦を制したFAカップ決勝も含まれている。

 その2005年の決勝は、今でも記憶から消してしまうことができない。勝つべき試合だった。

 ユナイテッドは月曜日のFAカップの試合でアーセナルをオールド・トラフォードに迎えるが、ルイス・ファン・ハールのチームにとって決して素晴らしいとは言えないシーズンになっているとはいえ、アーセナルが勝利を収めるとは考えにくい。カップ戦の試合はいつも一味違うものだが、より広い視点で言えば、プレミアリーグ残り10試合での4位争いもやはりユナイテッドとアーセナルの勝負になってくると思う。リヴァプールは3位の最有力候補だと私には思える。彼らがユナイテッドよりもアーセナルよりも良いサッカーをしているのは間違いない。

 私のユナイテッドでのキャリアの最後の8年間を通して、アーセナルと対戦する時にはいつも勝てるという感触で試合に臨んでいたし、実際にほとんど勝っていた。もう少し遡って、2001年2月にオールド・トラフォードで6-1の勝利を収めた時にも私はプレーしていた。当時のアーセナルを振り返れば何人か良い選手がいたし、次のシーズンにはオールド・トラフォードでユナイテッドを破ってタイトルを獲得した。だが2004年以降に勢いを失っていったのは明らかだ。

 私は交代出場だったが、2009年にチャンピオンズリーグ準決勝で対戦した際にはユナイテッドがホームでもアウェーでも勝利を収めた。エミレーツでのセカンドレグでも彼らを一蹴し、3-1で破ることができた。特にクリスティアーノ・ロナウドとウェイン・ルーニーの存在によって、ユナイテッドにはスピードもパワーもあった。アーセナルはバルセロナのようになりたいと望んでいたが、それだけの力はなかった。いつでも倒せると感じてプレーしていた。

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