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イニエスタとアウベス。ネイマールの2得点を生んだ2人のベテラン。それを支える2人の“影武者”

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

地味ながらハイレベルなサポートでチームを支える2人

 しかし、2点のリードを奪った後半45分間は敵陣でのプレーが58.14%まで減少し、自陣でのプレーは41.86%まで上昇した。

 チーム全体のプレーエリアを見ると、敵陣でのプレーは前半が55.81%で後半が51.35%とほぼ同数。逆サイドのジョルディ・アルバは、アウベスとのバランスを取っていたこともあるが、前半が敵陣44.67%で後半が同55.77%。アウベスは、その経験に裏打ちされた試合を読む力を示したといえるだろう。

 アウベスは、データサイト『Who Scored.com』のレーティングで2得点を挙げたネイマールの9.59に次ぐ2位の8.03。イニエスタは45分間のみのプレーで3位の7.98という高い評価を受けていた。

 そして、このベテラン2人とポジションを分け合うのがジョルディ・アルバとイバン・ラキティッチ。バルセロナの真の強さはここにある。

 前述の通り、アルバは常にアウベスのポジショニングに気を配り、バランスを取りながらプレーしていたことはデータが示している。その中で、チームトップとなる108回のボールタッチを記録。パス本数でもチームトップの97本を出している。

 前半はイニエスタと、後半はシャビと中盤を組んだラキティッチは、90分間のプレーで79本のパスを出して成功率95%。つまり、失敗に終わったパスはわずか4本のみだったということだ。

 もちろん、前半のうちに事実上勝負が決したため、後半はリスクを犯さず堅実なプレーに徹したことが大きかったが、それでもこの成功率は素晴らしい記録といえる。

 イニエスタ、ダニエウ・アウベス、ネイマールがスコアを動かすパフォーマンスを見せた裏には、アルバとラキティッチの地味ながらもハイレベルなサポートがあった。この勝利の“影武者”はこの2人である。

 メッシが得点を決めず、スアレスが低調なパフォーマンスに終わろうとも確実に勝利を手にするバルサ。10-11シーズン以来となる欧州制覇へまた一歩近づいた。

【了】

UCL14/15 ラウンド8 2ndレグ バルセロナ×パリ・サンジェルマン ハイライト


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