FIFA理事選がなぜ重要なのか? 田嶋氏の当落で変わる日本サッカーの未来。日韓共催の痛手、W杯出場枠に影響も

2015年04月29日(水)12時00分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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煮え湯を飲まされた2002年。クリーンな準備は実るか

 今回の立候補者を見ると、中央&南アジア及びイランの計13ヶ国から一人も出ていないことがわかる。このゾーンの票をいかに取り込むかがカギになるわけだが、サッカーに限らず、日本のスポーツ界は権謀術数を駆使した水面下での工作を不得手としてきた。潔しとしなかった、と表現してもいい。

 1994年に行われたAFC選出のFIFA副会長選にJFAの村田忠男副会長(故人)が立候補を決めたとき、岡野俊一郎副会長(現JFA最高顧問)は得票が見込めないことを理由に、取り下げることを求めたという。

 村田副会長は「10票は大丈夫」と出馬したが2票に終わり、当選した大韓サッカー協会の鄭夢準会長の政治力もあって、単独開催を目指していた2002年W杯を共催に持ち込まれた。

 2002年の東アジアサッカー連盟設立後は、FIFA副会長は鄭夢準氏、同理事は小倉名誉会長と分担されてきた役割も形骸化してしまった。現代財閥の御曹司である鄭夢準氏の従弟である鄭夢奎氏は、現代財閥のビジネスを絡めたロビー活動を展開できる。中東勢はオイルマネーを、東南アジアの王族も豊富な財産を擁している。

 一方でFIFA会長選に絡んだ贈収賄疑惑に絡み、この4年間でAFCのモハメド・ビン・ハマム前会長(カタール)、AFC選出のバーノン・マニラル・フェルナンドFIFA理事(スリランカ)が永久活動休止処分を受けた。

 公職選挙法の類が設けられていない状況下では、こうした贈収賄は当たり前のように行われているとも言われる。だからこそ日本はクリーンさを前面に押し出し、世界最弱国ブータン代表をW杯アジア2次予選に進出させた小原一典監督をはじめとして、発展国への指導者派遣などを通してアジアのレベルアップに貢献してきた。田嶋副会長はこうも語っていた。

「何が起こっても勝つつもりで準備してきました。誠実にやってきたことが評価されれば」

 積み重ねてきた正攻法が果たして奏功するのか。JFAが組織として掲げる「国際力の強化」を成就させるためには、FIFAの中枢へ人材を送り込めるか否かが大きな分岐点となる。23日に日本を発った田嶋副会長は、立ち寄ったシンガポールとインドネシアで最後のロビー活動を行い、すでに決戦の地マナマに入っている。

【了】

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