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再編迫られるマルセイユ。オーナー17歳息子がリヨン会長と“口喧嘩”も…一転好都合の理由とは?

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

チームを長く支えたGKマンダンダも移籍を希望

 また、昨季は16アシストでリーグ1のアシスト王に輝いたディミトリ・パイエットにも、スウォンジー移籍が決まったアイェウ同様、プレミアリーグから引き合いが来ている。マルティネス監督みずから「ファンだ」と公言するエバートンや、ウェストハムだ。

 パイエットの現行の契約は2017年までだが、延長交渉に及んだとしても現在のマルセイユの台所事情からいって昇給は厳しい。しかし、昨季パイエットのプレーメーカーとしての才が開花したのは、ビエルサ監督の戦術や指導によるところが大きい。パイエットの去就は、ビエルサ監督の動向に左右されそうだ。

 さらには、ここまで8シーズン、マルセイユのゴールを守り続けてきたGKマンダンダも前向きに移籍の希望を語っている。「慣れ親しんだこのクラブで、という思いがある反面、違う環境で選手としても人間としてもより成長したい」と語る彼の思いはごもっとも。今年3月で30歳になり、転換期の到来を感じているのだろう。

 がしかし、昨季のレギュラー陣の半分近くが入れ替わるだけでなく、ジニャック、アイェウに続きマンダンダまで離脱することになれば、チームを底支えするベテランが不在となり、実に心もとない状況になる。

 昨夏、移籍する可能性もあったジニャックとアイェウに関しては、穴埋め要員として、ベルギーのリエージュから当時20歳のFWバチュアイと、大怪我でキャリアを狂わせたがかつては天才と言われたMFアレッサンドリーニを獲得していた。

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