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【独占取材】オランダで挑戦を続ける新たな“サムライ”。目指す夢は「日本と海外の架け橋」

text by 舩木渉 photo by Getty Images , Editorial Staff

「日本もセカンドキャリアの支援をどんどんやっていくべき」

――オランダリーグにはどんな特徴がありますか?

「4強(アヤックス、PSV、トゥエンテ、フェイエノールト)がメインで、他はどこが降格してもおかしくありません。競争があるのはいいことですが、結局は上の4つとそれ以外が離れているので、あまり意味はないんです。そこはJリーグと大きく違うところですね。たとえば今シーズンのJ1なら最下位でも勝ち点10を超えています。松本山雅のようにJ2から上がってきたばかりでも十分にやれますよね。

 でも、ドルトレヒトは1年で20ポイントです。オランダでは柏レイソルのような昇格即優勝はかなり難しいと思います。上位と補強にかけられる金額が違いすぎるんです。たとえばアヤックスの選手数人の給料でドルトレヒトなら全員雇えます。日本のC契約やA契約のような仕組みはないので、給料を上げるには自分で契約にボーナスを付けるしかありません。最初の金額はかなり安いですよ」

――サッカー選手という職業の地位は高いと感じますか?

「それはどこのクラブでも高いと思います。オランダは日本でいう生活保護のような仕組みが手厚くて、アルバイトだけしかしていなくても生活できてしまいます。実際僕のいとこも20代半ばですが、アルバイトしかしていませんし、そもそも定職に就く人の割合も少ないんです。

 大学に通うことも含めてサッカー選手のセカンドキャリア支援は協会も力を入れていますし、かなり有利だと思います。歴史が違うので仕方ない部分もありますが、日本もセカンドキャリアの支援をどんどんやっていくべきだと思います。特にサッカー選手としての寿命は短いので」

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