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開催国チリ、10人のペルー下し決勝進出! コパ初制覇まであと1つ

text by 編集部 photo by Getty Images

チリ
エドゥアルド・バルガスが勝負を決めた【写真:Getty Images】

【チリ 2-1 ペルー コパ・アメリカ準決勝】

 南米No.1を決めるコパ・アメリカの準決勝が現地29日に行われ、開催国チリとペルーが激突した。

 圧倒的ホームで有利な状況のチリは、準々決勝ウルグアイ戦で相手のカバーニの尻を触って挑発したとして退場処分を受けたハラが2試合出場停止のため不在に。代役としてロハスが今大会初スタメンを飾った。

 対するペルーは絶好調ゲレーロの相方にファルファンが起用され、ベテランのピサーロはベンチスタート。右サイドにはスポルティング・リスボンで田中順也とともにプレーするカリージョが初先発を果たした。

 試合は立ち上がりから荒れ模様となる。両チームとも揉めごとを起こしながら準々決勝を勝ち上がってきたが、今回はペルーのCBサンブラーノが危険なタックルを繰り返し、開始6分でイエローカードを受けた。

 ボールを持つたびにブーイングを浴びながらプレーするペルーは、前線を幅広く動き回るゲレーロを起点に、シンプルな攻撃でチリのゴールを脅かす。ファルファンのヘディングがポストを叩くなど、惜しいチャンスを何度も作った。

 しかし、いい流れに水を差すアクシデントが起こる。20分、チリのMFアランギスの背中にスパイクの裏で蹴りを入れたサンブラーノがレッドカードを提示され、ペルーは70分を残して10人になってしまった。

 数的優位に立ったチリは主導権を奪い返し、28分にはバルディビアがA・サンチェスとの絶妙なコンビネーションからゴールをかすめるシュートを放つなど攻勢を強める。

 すると前半終了間際に最初のゴールが生まれる。42分、左サイドから切れ込んだA・サンチェスが中へクロスを送り、飛び込んだアランギスを通り越してポストを直撃する。そのこぼれ球をE・バルガスが押し込んでチリが待望の先制点を手にした。

 前半を1点リードで終えたチリは、早めにとどめを刺すべく後半開始から2人を入れ替える。ディアスに代えて大ベテランのD・ピサーロ、アルボルノスに代えてメナを投入して勝負に出た。

 しかし、次の1点はまさかの展開で生まれる。ボールを奪っても攻めに人数をかけられないペルーがシンプルな展開で右サイドをアドビンクラに走らせる。そしてクロスを上げると、クリアを試みたメデルがまさかのオウンゴール。残り30分で1人少ないペルーが追いついた。

 ホームで絶対に負けられないチリは、先制ゴールのE・バルガスが悪い流れを一気に清算する。64分、チリが中盤でボールを奪ってショートカウンターを仕掛けると、エリア手前でE・バルガスが右足を一閃。無回転で鋭く落ちる見事なシュートがペルーゴールに突き刺さった。

 このゴールでE・バルガスは大会4得点目となり、得点王争いで単独トップに立った。

 追いつくための1点が欲しいペルーは大黒柱C・ピサーロとヨトゥンと投入して4-3-2のフォーメーションに移行し、リスクを冒してゴールへの意識を強める。その隙を突きたいチリは78分、バルディビアのスルーパスにA・サンチェスが飛び込むも、ボールは枠のわずか外へ。直後にはビダルも強烈なシュートでゴールを狙うが、惜しくも枠の上へと外れた。

 数的不利でも攻めの意識を持ち続けるペルーに対し、チリは巧みな時間の使い方で相手の勢いを削ぎ、アディショナルタイムも失点することなく抑えきった。

 これにより開催国チリの決勝進出が決定。コパ・アメリカ初優勝まであと1勝となっている。決勝は来月4日にアルゼンチン対パラグアイの勝者と行われる。

【得点者】
42分 1-0 E・バルガス(チリ)
60分 1-1 オウンゴール(メデル、チリ)
64分 2-1 E・バルガス(チリ)

【了】

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