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【英国人の視点】Jリーグは“アジアのアーセナル”に…柏vs広州恒大が示す日本サッカーの立ち位置

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

豊富な資金力で急速に力をつける中国サッカー

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広州恒大を率いるルイス・フェリペ・スコラーリ監督【写真:Getty Images】

 試合後、スコラーリ監督は広州恒大の準決勝進出を見据えた上で対戦相手の日本チームを称えた。

「広州にきて12試合を戦ったが、柏が最も強かったと思う。柏の監督はチームを非常にうまく管理し、プレッシャーの激しい良いフットボールを実践していた」とブラジル人指揮官は語る。

「ブニョドコルの指揮を執っていたときに浦項スティーラースと対戦した時期は、韓国がおそらくアジア最強だった。ここ4、5年の間に日本のサッカーはすごく進歩していると思う。ガンバ大阪も準々決勝に進んでいるし、日本代表もW杯に5大会連続で出場している。私たちの仕事は中国のチームを助けて、日本の過去10年間のスピードに追いつくことだ」

 日本のサッカーが発展を続けていることはとても素晴らしい。しかし、広州恒大が豊富な資金によって成功の土台を築いた一方で、中国全体のサッカーも幅広いスケールで競争力を身につけてきていることも確かだ。

 スコラーリのような経験豊富で要求が多い指導者は、ただ中国サッカーを発展させるだけではなくトロフィーを勝ち取ることも重要であることを理解している。

 日本チームはアジアの最前線で久しく脅威を与えられていない。もしJリーグが成長を続けるライバル国に打ち勝つための闘志や手強さを会得する術を知らなければ、この国のクラブに栄冠が訪れることはしばらくないだろう。

【了】

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