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EURO2016 9年前

EURO予選は絶望…オランダが勝てない理由。監督交代、「新世代」は成長も“リロード”失敗

text by 本田千尋 photo by Getty Images

巻き返しに失敗。自力突破は不可能に

 0-1のまま、試合終了の笛が鳴った。ブーイングが響く。アイスランド人たちが騒いで、スタジアムがぐらぐら揺れる。既にオランダ人たちは帰り始めていた。

 試合後のプレスルームで、ヘンドリクセン氏がまくし立てた。

「これが、オレたちが3位にいる理由さ」

 氏の言う「これ」とは、こんな不甲斐ないゲームをやってしまうことが「オレたちが3位にいる理由」、といったところだろうか。

 確かに「旧世代」の衰えは隠せない。スナイデルのミドルに、かつてのパンチはなかった。デパイら「新世代」は育っている。しかしマルティンス・インディの退場に見られるように、成熟し切ってはいない。新監督ブリントは、アイスランド戦のターニングポイントを“33分の退場劇”とした。

「馬鹿げたことだ」

 つまり「旧世代」と「新世代」の間に、中軸がいない。それが今のオランダ代表なのである。

 そして何よりアイスランド戦のオランダ代表には、フットボールにおける重要な要素=運がなかった。新体制の初陣で、新主将は前半に負傷で退いた。

――今日の試合をどう思う?

「ドラマだよ、ドラマだ。ロッベンが負傷交代、インディが退場、そしてあのPK。まさにドラマだ。こんなドラマは、望んでいないんだがね」

 ヘンドリクセン氏の静かな叫びが、重圧の掛かるプレスルームに響いた。

 6日、オランダは敵地でトルコに0-3で敗れた。「重要な2連戦」を2連敗で終えて、グループAの4位に後退する。自力で本大会出場を決めることは不可能になった。

「オランイェ・リローデッド」。巻き返しに失敗した。後はない。

【了】

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