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「合言葉は勇気」。バルサ封じた“攻撃のための守備”。セルタが示した番狂わせの方法

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

格好の餌食となったバルサのビルドアップ

 バルセロナはマスチェラーノとバルトラがCBを組んだ前節では、積極的なロングパスで前線へボールを送り込む形で敵陣でのプレー回数を増やしていた。一方でピケが復帰してマスチェラーノとのレギュラーコンビが復活した今回は通常通りのショートパスで組み立てるスタイルに戻した。

 パスの内訳をみると、前節はロングパスが57本だったのに対して、今回はわずか11本。前線から積極的なプレスを仕掛けるセルタに対して、ショートパスでビルドアップを試みるバルサのDFラインは格好の餌食となっていた。

 象徴的なのは2点目のシーン。バックパスを受けたピケがノリートにボールを奪われると、最後はアスパスにネットを揺らされた。セルタを率いるエドゥアルド・ベリッソ監督にとっては、まさに狙い通り。胸のすくような得点だったに違いない。

 そして、これ以前にピケが出場していたスーパーカップもで失点を重ねていたのは偶然ではないだろう。

 試合のスタッツを見ても、ここまで敗れ去ったチームとは大きな違いがある。

 支配率43.6%(セルタ):56.4%(バルサ)、パス本数283本:378本、チャンスメイク数16回:16回、シュート本数18本:18本。

 多くの場合、バルサは70%前後の支配率を記録し、パスは600~700本を繰り出している。今回の56.4%に378本という数字はバルサにとって極端に低い数字ともいえる。

 さらにボールを持ってプレーした位置を示す「アクション・エリア」を見ると、敵陣・自陣ともに50%。ファイナルサードでは23.08%だった。これも4-1で勝利した前節では敵陣で64.75%、ファイナルサードでは35.48%を記録している。

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