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プレミア勢はなぜCLで苦戦するのか? 出場枠削減の危機、求められる欧州仕様への変化

text by 山中忍 photo by Getty Images

DF意識が不足したユナイテッド。チェルシーは主将不在で統率不足に

プレミア勢はなぜCLで苦戦するのか? 出場枠削減の危機、求められる欧州仕様への変化
チェルシーのモウリーニョ監督とユナイテッドのファン・ハール監督【写真:Getty Images】

 ユナイテッド2年目のルイス・ファン・ハール監督は、主力の入れ替えが続くチームで攻守のバランスを計りかねている状態かもしれない。だが、そこは経験も豊富な大物監督。練習や試合前の一声で、若手も多いチームに守備の意識を徹底させることはできるはずだ。

 そうすれば、辛勝(2-1)を余儀なくされたボルフスブルグ戦での最悪の立ち上がりは回避できた。PSV戦での黒星発進後に必勝を期したホームゲームで、開始4分で先制されては元も子もない。

 しかも、左SBのマテオ・ダルミアン、ダレイ・ブリントとクリス・スモーリングの3名がボールに気を取られ、右SBのアントニオ・バレンシアが取り残されていた状態での失点。スモーリング以外は本職ではない急造4バックだが、であれば尚更にラインとしての意識を促しておくべきだった。

 チェルシーでは、モウリーニョが守備の立て直しに力を入れるに違いない。ロシア人富豪オーナーも、攻撃を好む以上に敗北を嫌う。開幕から国内でも失点が多い今季、指揮官はジョン・テリーの機動力不足を問題視して、若いクル・ズマを起用する試合が増えている。

 だが反面、テリー不在によるラインの統制不足も目立つ。CKからポルトに奪われた勝ち越し点(2-1)もその一例。リーダーシップ不足のガリー・ケイヒルの代わりに、主将でもあるテリーを最終ライン中央に復活させる手はある。

 逆に、同じくベテランのブラニスラフ・イバノビッチはベンチ降格が妥当と思われる。プレッシングもパスも中途半端で、攻守両面で自信喪失が窺える。後方の攻撃担当として頼られてきたが、しばしセサル・アスピリクエタを本職の右SBに回し、左には新戦力のババ・ラフマンを起用する「CL仕様」が妥当ではないだろうか?

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