3.トルコ、奇跡の本大会出場決定。“アシスト”はカザフスタン

　オランダ代表が悲惨なオウンゴールで涙を飲んだ傍ら、アイスランドと対戦した同組のトルコ代表は歓喜の渦に巻き込まれていた。

　今大会の予選では、全9グループのうち最も成績の良い3位チームはプレーオフを戦わずに本大会へ進出できる。開催国フランスが含まれているグループIを除く8チームは、最下位チームとの成績を除く結果で決まる。

（※グループIでフランスと対戦する試合はいずれも親善試合扱い。グループIの3位チームはフランス戦を除く全試合が3位最高成績チーム決定の対象となる）

　すでに3位の座を掴みかけていたトルコには、ハンガリーと共にその可能性を残していた。前日に全日程を終了させていたグループFのハンガリーは最下位ギリシャとの結果を除いて勝ち点15。1節を残した時点でトルコがいるグループAの最下位はカザフスタン、5位はラトビアだった。

　3位最高成績チームは、最下位との結果は反映されないため、カザフスタンから勝ち点6を得ているトルコはアイスランド戦に勝利しても勝ち点12で及ばない。しかし、カザフスタンがラトビアに勝利すると最下位と5位が入れ替わる。ラトビアと2分けで勝ち点を2しか得られなかったトルコは、カザフスタンが最下位から脱出すると、3位最高成績チームを決定する勝ち点が「4」増えることになる。

（※カザフスタンが最下位だと2勝した勝ち点6が3位最高成績チームの結果に反映されず、対象はラトビアとの勝ち点2となる。そのため、ラトビアが最下位になれば対象外だったカザフスタンからの勝ち点6が反映される）

　そのため、トルコがハンガリーを抜いて3位最高成績チームになるには、アイスランドに勝利して、カザフスタンがラトビア勝利するという条件だった。

　そして、それは現実となる。アウェーで15戦白星から遠ざかっていたカザフスタンがラトビアに勝利。あとは自らがアイスランドに勝利するだけだったトルコだが、89分にセルチュク・イナンが直接ゴールを沈める劇的な展開で奇跡の本大会出場を決めた。

　開幕2連敗スタートと最悪のスタートを切ったトルコだが、終盤戦で3連勝を挙げるなど、見事な巻き返しを見せた。