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香川真司 8年前

ポゼッションの中心に香川。対戦した日本人選手の言葉で振り返るドルトムントの強さ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

スタイルを貫いたマインツも

 ハノーファーは18分に清武を経由してソビエフがゴールを決め、フランクフルトは7分にマイヤーが先制した。いずれもカウンターからの得点である。試合前に立てた戦略が実を結びながら、しかし清武はこうも感じていた。

「今シーズンのドルトムントは、先制されても取り返す力はすごくある」

 フランクフルトの長谷部も、似たようなことを感じ取っていた。

「先制点を取るまでは良かったかもしれないですけど、ただ、やっていてもいつかはやられるのかなっていう雰囲気はあった」

 カウンターに徹して戦った原口、清武、長谷部の3者の言葉を総合すれば、ドルトムントに対して「引いて一本裏」を狙うという方法は、有効打にはなりうるが、最終的には力で押し切られてしまう、といったところだろうか。

 90分間のトータルで考えた場合、ドルトムントに対してカウンターは有効なのだろうか。

 そこで引っかかるのは、原口の次の言葉だ。

「しっかり今まで通り自分たちの戦い方で、だったらどうなったのかな、というのも少し気になります」

 いつも通りのヘルタのスタイルでドルトムントと戦ったら、どんな結果が生まれていたのか。原口は、少し気になったようである。

 マインツは、いつも通りのスタイルでドルトムントに挑んだ。ハードワークとハイプレスを惜しまず、ボールを繋ぐ。マインツ戦を香川は「難しいゲームでした」と振り返っている。

「相手が凄く上手く守って、プレスをはめ込んできました」と話して、「上手くポゼッションされていた」と果敢に挑んできたマインツのことを「強かったですね」と認めている。それでもマインツは0-2で敗れ去った。スタイルを貫くだけでは、ドルトムントに勝つのは難しい。

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