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徐々に姿を現したジダン・スタイル。試合を支配する“遅攻”とCR7を生かす“速攻”の同居

リーガエスパニョーラ第22節、レアル・マドリーはホームでエスパニョールと対戦し6-0の快勝を収めた。ジネディーヌ・ジダン監督が就任して4試合目となったこの一戦では、新監督の目指すスタイルが姿を見せ始めた。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

最終ラインからパスをつなぐ“遅攻”

ジネディーヌ・ジダン
就任してから負けなしのジネディーヌ・ジダン監督【写真:Getty Images】

 レアル・マドリーの指揮官にジネディーヌ・ジダンが就任してから3試合を経て2勝1分け。4試合目となったリーガエスパニョーラ第22節では、ホームにエスパニョールを迎えた。

 結果は6-0。現体制で過去最高のスコアで勝利を収めたが、この一戦では結果以上に内容の面でこれまでとは違った姿を示していた。

 まず、この試合のスタッツを見ると、支配率62.9%(マドリー):37.1%(エスパニョール)、パス本数664本:312本、チャンスメイク数13回:10回、1対1回数25回:16回、シュート本数19本:14本となっている。

 このスタッツで最も注目したいのはパス本数。今回のエスパニョール戦で繰り出したパスは664本を記録した。この数は、ベニテス体制を含めて今季最多の本数となっている。

 そして、この664本をさらに細かく見ていくと、ジダン監督が理想とするスタイルが見えてくる。

 この664本のうち、最終ラインの4人であるマルセロ、セルヒオ・ラモス、ラファエル・ヴァラン、ダニエル・カルバハルが繰り出したのは計297本。これは全体の44.7%という割合を占めている。

 実際にこの試合では、最終ラインからパスをつなぎながら全体を押し上げて相手陣内へと押し込んでいく形をとっていた。いわゆる“遅攻”というスタイル。ジダン監督は、支配率を高めて主導権を完全に掌握するアクションサッカーことを好んでいるといえる。

 この試合を含めたジダン監督就任以降の計4試合のパスレンジは16m。ベニテス体制は平均18mであり、2mの差が生まれている。

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