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CLラウンド16展望。“技術重視”のPSGとレアルは“世渡り上手”を打ち破れるか?【データアナリストの眼力】

シリーズ:データアナリストの眼力 text by 海老沢純一 photo by Getty Images

「世渡り上手」のローマは「クールネス」のマドリーにどう立ち向かうか

縦軸をパス成功数、横軸を走行距離とし、CSラウンド16第1週2日目の試合に臨む4クラブを、GS6試合の平均値で配置したもの。十字の線はCL参加32クラブの平均値。
【図3】縦軸をパス成功数、横軸を走行距離とし、CSラウンド16第1週2日目の試合に臨む4クラブを、GS6試合の平均値で配置したもの。十字の線はCL参加32クラブの平均値。

 2日目はヘントvs ヴォルフスブルク。「男気」 vs「ハイブリッド」の対戦となる。ヘントはゼニトと同じグループHで勝ち点10を稼いで2位。372本のパスで109.458kmを走った。

 一方のヴォルフスブルクは418本のパスを成功させ、111.864kmを走っている。ともにヘントを上回る数字を記録しており、単純に考えればヴォルフスブルクが試合を支配する展開となるはずだ。

 同日のもう1試合は、ローマvsマドリー。「世渡り上手」vs「クールネス」の一戦が組まれている。

 ローマはバルサ、レバークーゼン、BATEボリソフという厳しいグループの中でパス成功数307本で走行距離は105.82kmと低い数字に終わった。さらに11得点16失点で得失点差は-5、1勝3分け2敗と成績も低調ながら勝ち点6で並んだレバークーゼンを相手にアウェイで4-4、ホームで3-2と勝ち越したことでグループを突破。たった1度の勝利を結果につなげる、まさに「世渡り上手」なチームだった。

 対戦相手のレアル・マドリーは、ラファエル・ベニテスからジネディーヌ・ジダンへの監督交代があったものの、いまだ優勝候補の一角といえる。走行距離は106.682kmと多くはないが、パスは570本を成功させ、クリスティアーノ・ロナウドは11得点を決めて得点ランクトップに立っている。

 ローマもリュディ・ガルシアからルチアーノ・スパレッティへと監督を交代しており、新体制同士の対戦となるが、さすがにマドリーを相手にデータ上の優劣を覆すことは難しい。ローマの処世術もここで終わるかもしれない。

 2月23日のアーセナル vs バルセロナ、ユベントス vs バイエルン・ミュンヘン、2月24日のPSVアイントホーフェン vs アトレティコ・マドリー、ディナモ・キエフ vs マンチェスター・シティは次週へ。

【了】

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