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スタメンに戦術…肩透かしを食らわせたドルトムント。相手に“呑まれない”トゥヘルの選択

text by 本田千尋 photo by Getty Images

プレスの打ち合いに応じず。ペースを維持したドルトムント

 37分、エリア内に5人が入って、カンプルのシュートをブロックする。ムヒタリヤンが左サイドを駆け上がって、右サイドのオーバメヤンに大きくサイドチェンジ。オーバメヤンが落としたボールを、プリシッチがエリア内で受けるが、ターにクリアされる。

 やはり勝ち点差を考えれば、ここで無理をする必要はなかったのだ。ドローでも“13ポイント”を維持できる。4日後にはアウェイでELポルト戦の2ndレグが控えている。BVBはプレスの打ち合いを演じようとはしない。もちろんプレスを掛けるところは掛けたが、ボールを回すところは回して、自分たちのペースを維持しようとした。

 後半についてトゥヘルは「我々はより多くのスペースを作り出し、ゲームを支配した。そうすることでレバークーゼンのペースを落とすことに成功したし、当然のようにリードを奪ったね」と振り返っている。

 64分、素早いリスタートから、BVBのカウンター。ロイスが駆け上がり、前方のドゥルムにパス。ドゥルムの左からの折り返しを、オーバメヤンが押し込んだ。1-0。

 後半にドルトムントが「多くのスペースを作り出せた」のは、レバークーゼンが3日前にスポルティングとのELの試合をリスボンのアウェイで戦ったことも関係しているだろう。コンディションの面で、動きが重たいところがあった。

 もちろん77分にソクラティスが左の腿の筋肉を痛めて、スボティッチと交代になったように、レバークーゼンのプレスをかい潜るのは、決して簡単ではない。それでもドルトムントのサッカーには、どこかゆとりがあった。レバークーゼンと、ハイプレスで真っ向から向かい合ったりはしない。

 レバークーゼンは、訪れたアディショナルタイムのビッグチャンスを、チチャリートが決めきれず、試合はBVBが1-0で勝利する。

 ドルトムントが辛抱しつつも相手を受け流した、レバークーゼン戦だった。

【了】

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