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BVB、非機械的可変システムでスパーズ圧倒。ロンドのトレーニングが創出した流動性

text by 本田千尋 photo by Getty Images

トレーニングでの積み重ねがスムーズさを担保

 ドゥルムの上下動は、トッテナム戦では1つのキーポイントとなったと言えそうだ。ドゥルムについて、試合後にトゥヘルは「今のところ彼はボールを持っているときにとても良い動きをし、正しい決断を下し、とても良くトレーニングをする」と語っている。トゥヘルはまた、ドゥルムの「パフォーマンスにとても満足している」ようだ。

 後半も試合の流れは変わらない。61分と70分にロイスが2点を追加したBVBが、最終的にトッテナムを3-0で下した。試合後のポゼッションは、ドルトムント:トッテナム=64%:36%である。

 しかし、なぜドルトムントは、トッテナムを流動的に支配することができたのだろうか。

 その答えは、練習にあると言えそうだ。トゥヘルは徹頭徹尾、ロンドをトレーニングに取り入れている。既にブンデスリーガも後半戦に入って、2ヶ月を経過しようとしている。選手達にロンドが染み渡っているのは間違いないだろう。ロンドは、相手に応じたポジショニングとボール回しを磨く格好のツールだ。

 そしてトッテナム戦のドゥルムは、8日のトレーニングで見ることができたものである。ミニゲームで、シュメルツァー、フンメルス、スボティッチの3バックに、ドゥルムが右サイドで高い位置を取った。またトッテナム戦でスボティッチは、58分にベンダーと変わって投入されている。

 こうした日々の練習が相乗効果を成して、ドルトムントはトッテナムを流動的に圧倒した。何よりトゥヘルは、ドゥルムについて「良くトレーニングをする」と言及している。プロと言えど、毎日の練習が試合の下支えになるのだ。

 ドルトムントが、自分達が普段取り組んできたことを証明した、トッテナム戦だった。

【了】

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