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代表 8年前

「酷い」イングランド戦にこそあるドイツの収穫。ついに解答を得た“クローゼ後の問題”

text by 本田千尋 photo by Getty Images

失意の後、トルコで輝きを取り戻す

マリオ・ゴメス
イングランド代表戦のマリオ・ゴメスは、一筋の光を差し込んだ【写真:Getty Images】

 しかし先のアイルランド代表戦のように、アクシデントでゲッツェが不在となった場合に、ワントップを誰が務めるのか。いわゆる“クローゼ後の問題”とは、そういったことでもあった。

 そこにイングランド代表戦のマリオ・ゴメスは、一筋の光を差し込んだ。直前のシーズンにフィオレンティーナで負った怪我の影響で、ブラジルW杯のメンバーから落選したゴメスは、失意を乗り越えると、今季はレンタル加入したトルコのベシクタシュで輝きを取り戻す。189cmのFWは、今季のリーグ戦26試合で19ゴールを挙げてきた。

 レーブもトルコでゴールを量産するゴメスに目を見張り、昨年11月のフランス戦でも感触が良かったため、今回のイングランド代表戦での先発起用となった。

 そしてゲッツェのように、ゴメスもまた、自身の価値を「もう一度証明」して見せた。57分にケディラからのボールを、ヘディングで得点しただけではなく、ワントップとして精力的に動いた。縦パスを収め、ロングボールのターゲットとなる。カウンターの起点にもなった。

 27分には、オフサイドの判定が下ったが、ケディラのボールに合わせて、DFラインの裏に抜けてゴールを奪う動きも見せた。もちろんゴメスが関わったプレーの全てが、決定機に結びついた訳ではない。

 それでもゴールという目に見える結果を残したこと、リーグ戦を通して現在コンディションを良好な状態に保っていることを考えれば、6月のEURO本大会に向けて、ゴメスはドイツ代表の“クローゼ後の問題”に一定の解答を示したと言えるだろう。

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