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バルセロナ、6冠、CL連覇逃すも、評価すべき国内2冠。チーム救ったS・ロベルト【15/16シーズン査定】

シリーズ:15/16シーズン査定 text by 中山佑輔 photo by Getty Images

2シーズン連続の国内2冠は高く評価されるべき

 CL準々決勝でアトレティコ・マドリーという相手を引き当てたのは、バルサにとって不運だったとも言える。バルサが無敗記録を更新し続ける間、「誰がバルセロナを止められるのか」はサッカー界における一つのテーマだった。強固な守備ブロックと、攻撃的とすら言えるプレッシングを両立させたシメオネのアトレティコは、バルサを倒しうるチームの筆頭格と言えた。

 そんなアトレティコと対戦することになったタイミングで、強固な守備を破壊しうる牙を持つメッシとネイマールがコンディション不良。代表戦疲れの影響だったのだろうと推測されるところで、特にネイマールの状態は深刻にも思えた。

 シメオネのチームと対戦するタイミングとしては最悪だったとすら言えるだろう。結果としてルイス・エンリケが監督に就任して以降はじめて、バルセロナはアトレティコに敗れた。

 6冠に続いてCL連覇を逃した格好だが、これによって過密日程が解消されメッシとネイマールには徐々にキレが戻っていく。ターンオーバーも不要になり、万全の態勢でリーグ戦に臨めるようになると、リーガでは本来の強さを見せつける。連敗をストップさせた第34節のデポルティーボ戦から最終節までは全勝し、マドリーの2クラブによる猛追から逃げ切ってリーガ2連覇を達成。その5試合で記録した24得点0失点という数字は、圧巻としか言いようがない。

 リーガ最終節の翌週には、アトレティコに敗れCL敗退を喫した地、ビセンテ・カルデロンでコパ・デル・レイ決勝が行われた。シーズンのはじまりを告げたUEFAスーパーカップと同じく延長戦の末にセビージャを破り、バルセロナは国内カップ戦を制する。ハビエル・マスチェラーノが前半で退場するなど厳しい戦いを強いられたが、アンドレス・イニエスタを中心にここ一番での勝負強さを見せつけた。

 6冠とCL連覇こそ逃したとはいえ、マドリーの2クラブを上回って2シーズン連続の国内2冠を達成したことは賞賛に値する。もっとも、本来出場停止だったチェリシェフを起用したせいでレアル・マドリーは早々にコパ・デル・レイ失格処分を受けており、同大会ではライバルにならなかったが。

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